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バオバブはアフリカ大陸を原産地とする、アオイ目の植物です。
マダガスカルと南アフリカ、オーストラリアに分布し、8〜12の種類(諸説あり)があるとされています。
バオバブという名前を聞くと、「星の王子さま」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
物語の中でのバオバブは、あまりの大きさに星を破壊してしまう悪役として描かれています。
しかし、バオバブは 「精霊が宿る木」 や 「母の木」 とも呼ばれ、現地ではとても大切にされています。
ここからはバオバブの特徴や知ってほしい魅力について、1つずつ説明していきます。
人々の生活を支える不思議な木、バオバブはどんな姿や特徴を持っているのでしょうか。
バオバブ最大の特徴は、その不思議な形です。
バオバブは生えている木を引っこ抜いて逆さまに植えたとも、とっくりのようとも表現される独特な形をしています。
また、同じ種類であっても育つ環境によってずんぐりとした形であったり、あるいはまっすぐ伸びていたりとさまざまな形を見せてくれます。
バオバブのもう1つの大きな特徴は、とても大きくなることです。
バオバブは成熟するとなんと 高さは30メートル、直径は10メートルを超える とても大きな植物です。
世界最大のバオバブはなんと、直径が45メートルもあるそうです。
バオバブの木の中はスポンジのような構造になっていて、水を大量に貯めこむことができます。
そのため、 バオバブには他の樹木のような年輪がありません。
樹木の年齢は年輪から判断するため、年輪がないバオバブは正確な寿命がわかりづらいとされています。
寿命がわかりづらいバオバブですが、非常に長生きで 数百年から数千年の時を生きる と言われています。
今まで見つかっている中では、なんと5000年以上も生きているバオバブがあるそうです。
数千年の時を生きる巨大なバオバブには、本当に精霊や不思議なパワーが宿っていそうですね。
バオバブは非常に乾燥に強く、驚くことに 2年雨が降らなくても枯れない と言われています。
その秘訣の1つは、3で説明したように幹の中にたっぷりと水分を貯蔵できること。
そしてもう1つの秘訣は、もともと葉の数が少ないこと、そして乾季には自分で葉を落とせることです。
植物にとっての葉とは、光合成をして栄養素を作り出す場所です。
しかし、それと同時に水分が逃げてしまう場所でもあります。
そのため、乾燥した地域に生息しているバオバブは葉を減らし、水分が逃がさない工夫をしています。
ただ、葉がないと栄養不足になってしまうのでは…?と心配になってしまいますよね。
実はバオバブは樹皮の下が緑色になっていて、幹が葉の役割を果たしています。
幹で光合成を行うことで、水分を保ちつつ栄養を作り出すことができるのです。
自分が生息するしっかりと環境に適応した、バオバブの構造には驚かされるばかりです。
バオバブが生息している地域の人々は、昔からバオバブをさまざまな方法で活用してきました。
まずバオバブは、今も昔もとても貴重な食料として利用されています。
果実にはカルシウムやビタミン・鉄分がたっぷり含まれていて、その栄養素の高さから、近年はスーパーフルーツとして世界中から注目を浴びています。
若葉や新芽なども生、もしくは料理に入れるなど様々な方法で食べられています。
また、バオバブは食料になるだけでなく、種からは油を取ることができます。
果肉や油を取った後の果実の外側は、食器や器としても利用されています。
さらに、樹皮は編めば丈夫なロープになり、解熱剤や下痢止めの薬にもなるそうです。
バオバブは古くから、あらゆる方面で現地の方々の生活を支えてきたということがわかりますね。
バオバブは人間だけではなく、動物たちの生活も支えています。
果実はサルや虫、蜜は鳥、そして葉は草食動物のエサとなります。
アフリカでは乾季になるとゾウが樹皮を剥がして、水分をたっぷり含んだ中身を食べている姿も見られます。
バオバブはあらゆる動物の食料となるだけではなく、動物の遊び場や休憩場所にもなっています。
ときおりバオバブの木の上や穴の中でライオンやヒョウが休み、遊ぶ姿が見られるそうですよ。
古くから人々や動物たちの暮らしを支えてきたバオバブ。
そんなバオバブですが、実は日本でも育てることができることをご存じでしょうか。
暑くなると青々とした葉をしげらせる、独特なその姿は観葉植物にぴったりです。
熱帯産のバオバブを日本で育てるためには少しコツが必要ですが、ここから説明するポイントを抑えて、ぜひバオバブを育ててみてください。
まずはバオバブを育てるために、最低限必要なアイテムを説明していきます。
バオバブを育てていくうちに、必要なものや欲しいものが出てきたらその都度調達してくださいね。
まずはバオバブの種(実)、あるいは苗を入手しましょう。
バオバブの種や苗は一般的な園芸店ではあまり見かけませんが、通販であれば手軽に購入できます。
種の方が安価で入手しやすいため、バオバブは種から育てることをおすすめします。
バオバブは適応力が高いため、土の質にはあまりこだわりがありません。
一般的な園芸用の土を購入し、使うと良いでしょう。
湿気に弱い傾向があるため、なるべく水はけが良い土を選んであげてください。
バオバブはある程度成長すると、それほど肥料を必要としなくなります。
しかし、成長期に関しては、少量の肥料を与えた方が良いです。
量販店で販売されている、緩効性の化学肥料を用意しておきましょう。
バオバブの育て方は、基本的には一般的な観葉植物と同じです。
しかし、熱帯原産であるバオバブならではの注意点や押さえておきたいポイントもあります。
ここではバオバブを育てる上で、知っておきたいことをポイント別に説明していきます。
バオバブの種は大きな木からは想像できないほど小さくて硬く、独特の形をしています。
その種は他の植物と同じようにまくと上手く発芽せず、ほとんどの場合腐ってしまいます。
そこで、ここでは比較的失敗しにくいとされる、バオバブの種まきの方法を紹介します。
<実を入手した場合>
<種を入手した場合>
野生のバオバブは動物に果実を食べてもらうことで、種をあちこちに運んでもらっています。
そのため、お湯に浸す、種に傷を付けるなど一度動物のお腹を通ったような状況にしてあげると発芽しやすいようです。
また、バオバブが成長期を迎える、6〜9月くらいに種をまくと比較的発芽率が高いとされています。
もともととても日差しが強いところで育つバオバブは、年間を通して日当たりの良い場所に置くことが大切です。
直射日光に強いので気温が高い時期(夏〜秋)は外に置き、しっかりと日光を当てましょう。
やや寒さに弱いため、秋から冬になったら室内に置いてあげてください。
バオバブは乾燥している地域に生息しているため、乾燥に強く湿気に弱いという特徴があります。
そのため、水を与えすぎると、根腐れを起こして枯れてしまうことを覚えておいてください。
気温が高い時期になると成長期を迎えるため、夏〜秋は土が乾燥したら水をたっぷり与えましょう。
水は毎日決まった時間にあげるのではなく、土が乾燥したタイミングであげることが大切です。
逆に気温が低い時期になると、バオバブは成長を止めて休眠します。
根腐れを避けるため、冬になって葉が落ちたら完全に断水してしまっても構いません。
断水するのが怖い場合は、月に1度程度少量の水を与えると良いでしょう。
バオバブはそれほど肥料を必要としない植物です。
ただし夏から秋に迎える成長期の間に関しては、2ヶ月に1回程度緩効性の肥料を与えると良いでしょう。
バオバブはとても大きくなるため、肥料の与えすぎには注意してください。
本記事ではアフリカ生まれの不思議な植物、バオバブについて説明してきました。
現地では聖なる木として崇められ、人間や動物の生活を支えているバオバブ。
その特徴や魅力が少しでも伝わっていたら嬉しいです。
不思議な見た目や生態を楽しむために、ぜひ一度種から育ててみてください。
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最終更新日 : 2020/09/11
公開日 : 2019/08/29