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モッコウバラは、中国を原産とするつる性のバラです。
丈夫で育てやすいことからとても人気があり、庭のフェンスや垣根にも使われています。
小さな花を多数つけるモッコウバラが開花すると、庭が一気に華やかになりますよ。
そんなモッコウバラは、江戸時代(1760年頃)には日本に渡来していたとされています。
最初に白色の花をつけるモッコウバラが、追って黄色の花をつけるモッコウバラが入ってきたようです。
モッコウバラには4つの種類があります。
どの種類も育て方に大きな違いはないため、見た目や香りの有無から好きな種類を選ぶと良いでしょう。
白色〜淡い黄色の花びらに、赤色のめしべがアクセントになっている品種です。
直径3cmほどの一重の花が多数つき、満開になると甘い香りがします。
花びらの色は白色〜淡い黄色、直径3cmほどの八重の花が房状に咲きます。
満開になるとウメのような、良い香りがします。
直径3cmほどの淡い黄色をした、一重の花が多数つく品種です。
満開になると甘い香りが漂い、花が咲いた後には実もつきます。
直径3cmほどの淡い黄色をした、八重の花が房状に咲く品種です。
ほとんどトゲと香りがないことが特徴です。
バラらしくないバラ、モッコウバラにはどんな特徴や魅力があるのでしょうか。
モッコウバラの大きな特徴は、その花のつき方にあります。
他のバラのように大きな1輪の花を咲かせるわけではなく、小さな花が枝先に多数つきます。
一目見ただけでは、バラの仲間だとわからないかもしれません。
モッコウバラはとても丈夫で、病気に強いという特徴も持っています。
バラの仲間は全般的に病気に弱く、育てるのが難しいとされています。
しかし、モッコウバラに関しては、適切な環境で育ててあげればほとんど病気になりません。
モッコウバラの花には、すっきりとした甘い香りがあります。
香りを楽しみたい方は白色のモッコウバラ、もしくは一重咲きのキモッコウバラを育てましょう。
キモッコウバラの八重咲きの品種に関しては、ほとんど香りがありません。
とても丈夫なモッコウバラは成長する力も強く、あっという間に大きくなります。
そのため、地植えをする場合はそれなりのスペースが必要になります。
モッコウバラの茎をアーチやフェンスに這わせてあげると、なんと5m以上になることもあります。
この性質を利用して、モッコウバラのアーチやグリーンカーテン、垣根を作ることができますよ。
モッコウバラはバラの仲間ですが、ほとんどトゲがありません。
特に八重咲きのキモッコウバラに関しては、ほぼトゲが発生しません。
そのため、ガーデニング初心者の方や子供でも、比較的安心して育てることができます。
学名:Rosa banksiae
和名:木香薔薇
英名:banksia rose
原産:中国
開花時期:4〜5月
ここからは実際にモッコウバラを育てるために、最低限必要になるアイテムを紹介していきます。
まずは一番大切なもの、モッコウバラの苗を入手しましょう。
モッコウバラの苗は園芸店の他、通販でも購入できます。
もし可能であれば、実際に自分の目で見て苗を選ぶと良いでしょう。
モッコウバラには、水はけが良い土が向いています。
鉢植えの場合は、市販のバラ用の土を使うと良いでしょう。
地植えをする場合は植え付けの2週間ほど前に土を耕し、油粕や堆肥、緩効性粒状肥料を混ぜ込んでおきましょう。
モッコウバラは多肥を嫌う性質があるため、肥料を与えすぎると花のつきが悪くなります。
ただ、場合によっては肥料を与えた方が良い時もあります。
モッコウバラ用に油粕や骨粉、緩効性粒状肥料(化学肥料)を用意しておきましょう。
ここまでご紹介してきた通り、モッコウバラは非常に大きくなる植物です。
モッコウバラを健康的に育てるためには、支柱やフェンスなど、つるを誘引する道具や場所が必要です。
つる同士が重なった状態のまま放置すると湿度がたまりやすく、病気や害虫の原因になってしまうことがあります。
モッコウバラはバラの仲間の中では比較的育てやすいことから、初心者向けのバラと言われています。
しかし、そんなモッコウバラでも、他の植物と同じように育てる上で気をつけたいポイントがあります。
ここでは、モッコウバラを育てる際に、あらかじめ押さえておきたいポイントを解説します。
モッコウバラに限らず、植物の苗を購入する際は葉に元気やつやがあるものを選びましょう。
しかし、モッコウバラの場合は11月頃になると苗の葉が落ちてしまうため、葉で苗を判断することが難しくなります。
そのような場合は、枝や根がしっかりしている苗を選ぶと良いでしょう 。
モッコウバラは暑さに強く、寒さに弱い植物です。
植え付けは夏の暑さがひと段落した、10〜11月にすると良いでしょう。
寒冷地では地植えが難しいため、鉢植えにしてください。
肥料の項目でも書きましたが、モッコウバラは肥料を与えすぎると花のつきが悪くなります。
肥料は年に1度、花が咲き始める春頃に与えれば十分です。
ただし夏の暑さなどで元気がない時、植え替えをする時などには別途市販の液体肥料を与えると良いでしょう。
モッコウバラは日光を好む植物です。
なるべく直射日光が当たる所に置き、全体に日光が当たるようにしてください。
やや日陰になる場所でも育ちますが、出来るだけ日当たりが良いところに植えて(置いて)あげましょう。
鉢植えの場合は土の表面が乾いたら、全体に水が行き渡るようにたっぷりと与えます。
この時鉢底から水が流れ出るまで与えるのがポイントです。
水は定期的に与えるのではなく、土やモッコウバラの状態を見て与えるようにしてください。
地植えの場合は普通に雨が降っていれば、特に水やりをする必要はありません。
極端に雨が少ない時や乾燥がひどい場合にのみ、水をあげてください。
モッコウバラの花つきを良くするためには、剪定が欠かせません。
モッコウバラは開花後、6〜7月までが剪定に適した時期と言われています。
モッコウバラは他のバラと異なり、剪定に関する細かいルールはありません。
長く伸び過ぎてしまったシュート(※)を切り取って、絡んだ枝や不要な枝を取り除いてあげましょう。
古い枝が目立ってきた場合は古い枝を切り落とし、若いシュートを誘引してあげると良いです。
この時地面に対して水平方向に誘引すると、花つきの良い枝に育ちますよ。
※シュート…1本の茎とそれについている葉やトゲのこと
かわいらしい花を咲かせるモッコウバラですが、花をつけるようになるまでは時間がかかります。
苗を植えてから開花するまでには、2〜3年はかかるものと考えておきましょう。
それでも花が咲かない場合は日光不足、剪定しすぎ、肥料の与えすぎなどが原因として考えられます。
モッコウバラの状態を見て、原因を探ってあげてください。
とても丈夫なモッコウバラですが、病気や害虫の被害にあうことがあります。
それらの被害にあった時に、モッコウバラにどのような症状が起きるかぜひ知っておいてください。
その名前が示す通り、葉にうどん粉をまぶしたように見える白いカビが生える病気です。
カビで白くなってしまった葉ではうまく光合成ができないため、少しずつ植物が弱っていきます。
うどんこ病を発見した際は白くなった葉を取りのぞき、農薬や殺菌剤を散布します。
モッコウバラの場合、白くなった葉を取りのぞけば自然治癒してしまうことも多いです。
ただ、葉を取りすぎると弱ってしまうため、必要に応じて薬を使用することも大切です。
イラガは沖縄を除く日本全国に生息している、チョウの仲間です。
その幼虫はカキやサクラなど様々な樹木に付きますが、樹木に対してはほとんど影響を与えません。
しかし「デンキムシ」という別名が示すように、人が刺されるとひどい痛みを感じ、皮膚炎を起こしてしまうことがあります。
モッコウバラの剪定や手入れをする時には手袋をする、殺虫スプレーを使用するなど、イラガの幼虫に刺されないように注意してください。
小さくてかわいらしい花と育てやすさが魅力のモッコウバラ。
庭を華やかにしてくれる反面、その花からは考えられないほど大きくなる植物でもあります。
「育て始めたけれど手に負えない!」といった事態にならないように、またモッコウバラの魅力を思い切り楽しむため、植える前にはあらかじめ十分なスペースを確保しておいてください。
最終更新日 : 2021/02/04
公開日 : 2019/09/04