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ハイドロカルチャー(hydro-culture)とは「ハイドロ=水」「カルチャー=栽培」という意味で、専用土を使って水分で植物を育てる栽培方法です。
根を水に浸して育てる水耕栽培と、土を使った花苗の植え付けの中間のような育て方をイメージしてもらえたら分かりやすいと思います。
粒状の粘土を1200度の高温で焼成発泡したハイドロボールを土の代わりに使うのが一般的ですが、ゼリー状でカラフルなプランツボールや、カラーサンドを使用することも出来ます。
ハイドロカルチャーにはメリットもデメリットもあります。
筆者はハイドロカルチャーで植物をいくつか育てていますが、置き場所や水やりの頻度さえ間違えなければメリットしかないと感じています。
ハイドロカルチャーのメリットは、ハイドロボールが無菌で臭いが無いことです。
虫がわいたり土がこぼれて汚れる心配もないので、食卓にも抵抗なく置けて、見た目にも清潔感があることが人気のポイントとなっています。
また、観葉植物というと大きな鉢植えが多く置き場所にも困ってしまいますが、ハイドロカルチャーなら小さな観葉植物を省スペースで育てることが出来ます。
専用土のハイドロボールには養分が含まれていないため、定期的に土を変える必要が無いのも嬉しいポイントです。
ハイドロカルチャーのデメリットは、水加減を間違えると根腐れを起こしやすいことです。
水はけ用の穴が空いていないため、鉢の中の水分量が多すぎると根が常に水に浸かっている状態になってしまいます。
根腐れを起こしはじめた場合は鉢から取り出し、丁寧に傷んだ根を取り除きましょう。
また、土での栽培に比べて植物自体が大きく成長しないという点もあります。
春から秋にかけて成長時期に肥料を与えると育ちやすくなりますが、肥料分を含んだ土に比べると緩やかな速度です。
植物を大きく育てたい場合には向かない栽培方法と言えるでしょう。
ハイドロカルチャーに適しているのは小さめの観葉植物や多肉植物で、ガーデニングに使用されるような植物は向いていません。
本記事で使用した小さな植物は、ホームセンターや100円ショップでも販売されている手に入れやすい種類です。
観葉植物は初心者さんでも育てやすいので、ぜひ選ぶ際の参考にしてみてください。
パキラは観葉植物の中でも人気のある種類で、大きく成長すると2mほどにもなります。
ハイドロカルチャーで育てる場合は大きくなりすぎることはないので安心してください。
パキラは100円ショップの小さな植物コーナーにもよく置いてあるため、手に入れやすい種類です。
サンスベリアにはたくさんの種類がありますが、ホームセンターやお花屋さんでよく見かけるのは背が高くイエローの縁取りをした「トラノオ」という種類ではないでしょうか。
その中のひとつ「バリキュラス・ミカド」は育てやすく、子株も出やすいので、増やしたい方にもおすすめの品種です。
ハイドロカルチャー初心者さんは、葉の多い植物よりもバリキュラス・ミカドのように多肉質で乾燥に強い種類を選ぶと良いでしょう。
春から秋の育成期にかけては直射日光の当たらない明るい場所で育てると子株がよく育ちます。
サンスベリアは子株が根本から出て来るので、本数が増えてきたら窮屈になる前に株分けをしてあげてください。
ステレオスペルマムは別名ラデルマケラやラデマキアとも呼ばれている観葉植物です。
小さな葉には光沢があり、成長すると幹が木質化して木のようになります。
ステレオスペルマムのように葉が多い観葉植物は日当たりや水やりにコツが必要です。
全く日が当たらないくらい場所に置いておくと、ひょろひょろと枝が徒長してしまいバランスが悪くなってしまうので注意しましょう。
逆に日光に当てすぎると葉焼けを起こしてしまうので、明るい日陰で育てるのがベストです。
また、葉が多い観葉植物は鉢の中だけではなく、空気中の水分も多く必要とします。
霧吹きを使ってこまめに葉全体に水をかけてあげましょう。
ロブスタブルーはサンスベリアの中でも希少性が高い品種です。
サンスベリアにはとても多くの種類があるので、珍しい品種を見つけたらぜひ育ててみましょう。
枯れにくいので初心者さんでも育てやすく、増やしやすいのも特徴です。
ただし、耐寒性が無いので寒さに弱いという弱点があります。
室内で育てていても夜間など室温が10度を下回るようであれば、水やりの回数を減らして乾燥させてください。
サンスベリアの樹液の濃度を高まり、寒さに耐えられるようになります。
サボテンや多肉植物はハイドロカルチャーに向いていないという意見もありますが、筆者のサボテンはどんどん育って新しい子どもが生えてきています。
ハイドロカルチャーとはハイドロボールに水分を溜め込んで栽培する方法なので、あまり水分を必要としないサボテンや多肉植物には向かないと言われるのではないでしょうか。
ハイドロボールへの植え替えポイントは、土に入っていた時の根をある程度短く切ってしまうことです。
そうすることで次に生えてくる根がハイドロカルチャーに適するようになります。
また、水分を多くあげすぎないこともコツのひとつです。
常に乾燥しているくらいの方がよく育つので、観葉植物のように表面が乾いたタイミングで水をあげるのはおすすめしません。
「植物はたくさんお日様をあびた方が良い」という考え方は間違ってはいないのですが、ハイドロカルチャーにおいては日光に当てすぎないことが育て方のポイントになります。
ハイドロカルチャーは水分を溜め込んで植物を育てるため、日光に当てすぎると容器の中の温度が上昇して根腐れやコケが生える原因となってしまいます。
ガーデニングに使うような花ではなく、観葉植物が向いている理由は日当たりにもあるのです。
ハイドロカルチャーに使われるハイドロボールには養分が含まれていないため、定期的に肥料をあげると植物の育ちが良くなります。
肥料をあげるのは植物が成長する4月〜10月が効果的で、間隔は2週間〜数ヶ月おきになります。
成長具合を見て肥料が必要かどうかを判断しましょう。
一見通常のガーデニングと変わりませんが、それぞれハイドロカルチャーに適した仕様になっています。
専用の土や根腐れ防止剤などはホームセンターでも購入可能です。
どれも1,000円未満で購入することが出来るので手軽に始めやすいと思います。
ハイドロカルチャーをするためには、根のある植物が必要です。
植物の根は大きく下記の2種類に分けることが出来ますが、どちらを選んでも大丈夫です。
ハイドロカルチャーに適しているのはひげ根の植物で、ハイドロボールの隙間に根を張り巡らせます。
主根タイプも細かい根が張ってしまえば安心ですが、植えたてはグラつきやすいので、ぶつけないように注意してください。
ハイドロカルチャーは「水分で植物を育てる」栽培方法なので、通常の植木鉢のように水はけ用の底穴が空いているものは使えません。
使用する容器はハイドロカルチャー用の物ではなくても大丈夫ですが、小さな植物であれば容器のデザインが揃っている方がオシャレに見えるのでおすすめです。
ハイドロボールの乾き具合が分かりやすいように透明のガラス容器が良いでしょう。
透明のプラスチック容器でも可能ですが、だんだんとくすんできてしまうのが弱点です。
価格:880円(税込)
サイズ:H6×W6×D6cm
内容:4個セット
ハイドロカルチャーには専用の「ハイドロボール」という土を使用します。
粒の大きさには小粒・中粒・大粒があるので、容器の大きさによって適した大きさを選んでください。
小さな容器に大粒のハイドロボールを使うと隙間だらけで植物が育ちにくいので注意しましょう。
倒してこぼした時や植え替えが必要になった時に便利なので、最初に少し多めの量を用意しておくのがおすすめです。
価格:765円
容量:2リットル
根腐れ防止剤も用意しておきましょう。
ハイドロカルチャーは水で植物を育てるため、水分量が多すぎたり陽に当たりすぎると根腐れを起こしやすくなります。
根腐れ防止剤を使用することで根腐れを回避出来る確率が上がります。
容器の底に薄く敷く程度なので、用意する量は少量で大丈夫です。
価格:763円
容量:500g
ハイドロボールには養分が含まれていないため、植物の状態によってはハイドロカルチャー用の肥料が必要になります。
ハイポネックスキュートは薄めたりせずにそのまま使用できるので、使い方はとても簡単です。
価格:402円
容量:150ml
ハイドロカルチャーの植え方を写真付きで解説していきます。
とても簡単な作業なのであっという間に終わりますし、土のように汚れないので室内でも気軽に作業することが出来ます。
ハイドロボールがこぼれないように、トレーや洗面器の上で作業するのもおすすめです。
作業中、誤って小さいお子さんやペットが口にしないように気を付けてください。
まずは、容器の底に根腐れ防止剤を敷いていきます。
分量は底が隠れるくらいで十分です。
入れすぎてしまうとハイドロボールの量が少なくなってしまうので、容器の横からも確認しながら入れましょう。
根腐れ防止剤を敷いたら少しだけハイドロボールを容器に入れます。
植物を入れてみて、高さを合わせましょう。
深すぎると植物が埋れすぎてしまい、根も張りづらくなってしまいます。
逆に浅すぎると土に埋まるべき部分が表に出てしまい、植物の成長に影響が出る可能性があります。
上の写真で見ると、植物の根本が白っぽくなっていますよね。
この部分は今まで土に埋まっていた部分なので、濃い緑色との境目がハイドロボールの表面になるように高さを調節します。
高さが決まったら、植物を押さえながらハイドロボールを入れていきましょう。
根が硬かったり長く伸びていると隙間が空いてしまうことがあります。
根の周りは少し入れたら爪楊枝で軽く差して、隙間にもハイドロボールが行き渡るようにしてくださいね。
軽く揺すったり容器をトントンしても良いのですが、根腐れ防止剤と混ざってしまったり、植物の高さが合わなくなってしまうので慎重に行いましょう。
ハイドロボールを容器の淵から1cmほど下まで入れたら完成です。
軽くお水をあげて、明るい日陰に置いておきましょう。
ハイドロカルチャーの育て方はガーデニングとは少し違います。
ポイントを押さえて上手に育てていきましょう。
土が完全に乾いたら容器の底に少したまる程度に水を与えてください。
容器の内側に水分が残っている状態で頻繁に水をあげると根腐れの原因となってしまいます。
ハイドロカルチャーは様々な植物を育てることが出来ますが、葉の多いものは水を多く必要とするので土が乾きやすい傾向にあります。
逆に、多肉植物や葉の厚い観葉植物は水やりの回数が少なくて済みますし、枯れにくいという特徴があります。
ハイドロカルチャー専用の肥料を使えば、植物の状態が気になった時にそのまま与えることが出来るのでとても手軽です。
ガーデニングで使用する通常の土専用の肥料も使うことが出来ますが、その場合は500倍に薄めて与えなければなりません。
そのまま使うとハイドロカルチャーには強すぎて、植物をダメにしてしまう可能性があります。
肥料は植物の成長期である4月〜10月に成長具合を見ながら与えましょう。
最低でも2週間は空け、植物が順調に育っていれば1ヶ月ほど空いても問題ありません。
外側からみて容器の中に根がぎっしり張り巡らされてきたら植え替えが必要です。
一度容器の中から取り出し、元気な部分の根を残すように先端の古い根を切ってしまいましょう。
植物が植え始めよりも大きく育っている場合は容器を一回り大きくすると、より大きく成長します。
サンスベリアのように土の中で株が増えるものは、株分けで分割することも可能です。
今回は茶色いハイドロボールを使用して単品での植え方を解説してきましたが、使用する土や植え方を工夫するとイメージもガラリと変わります。
お好みの土や植物を使って、寄せ植えなども楽しんでみてはいかがでしょうか。
SNSで見つけた素敵なハイドロカルチャーをご紹介しますので参考にしてください。
ハイドロカルチャーでは多肉植物の寄せ植えも可能です。
あえて中粒のハイドロボールを使用しているのもインパクトがあって素敵ですよね。
ハイドロカルチャーは寄植えをすることも可能です。
育ちすぎてしまったりワンシーズンで枯れてしまうことが無いので、色々な植物を合わせて長期間楽しむことが可能です。
カラーサンドを使うと一気にハイドロカルチャーのイメージも変わりますよね。
数色のカラーサンドを使って層にしていくのが一般的です。
価格:805円
容量:120g
カラー:イエロー/エメラルドグリーン/ターコイズ/パープル/ピンク
ハイドロカルチャーは植える植物や使う土によって様々な印象になりますよね。
基本的には育てやすい小さな観葉植物を使うので、大きな観葉植物を置くスペースが無い人に向いている栽培方法です。
鉢植えのようにこまめな管理も必要が無いのでズボラさんにもぴったり。
植え方も育て方も簡単なハイドロカルチャーでお部屋にグリーンをプラスしてみませんか?
最終更新日 : 2022/07/01
公開日 : 2019/10/06