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ハッカ油はその名前の通り、シソ目シソ科ハッカ属の植物「ハッカソウ」から抽出した精油のことです。
見た目は無色透明で、さらっとした液体。
ハッカ油最大の特徴は「 スーッとする香り 」と「 肌に触れた時に感じる清涼感 」です。
ハッカ油の香りは主成分である「 l‐メントール 」によるものです。
l‐メントールはリップクリームやシャンプーなどの化粧品、ガムやタバコなどの嗜好品に幅広く使われています。
1度はその香りを嗅いだことがあるのではないでしょうか。
ちなみに、l‐メントールは化粧品の原料として、細胞を活性化する・肌を引き締める・清涼感を与える目的で使われています。
また、 医薬品グレードのl‐メントールは、飲みにくい薬の味や香りを調整する目的で使われています。
肌にハッカ油に触れるとひんやりとした冷たさを感じますが、実際にはハッカ油に体温を下げる効果はありません。
実は冷たさを感じる細胞を活性化させることによって、脳に冷たいと感じさせているそうです。
つまり、ハッカ油を使いすぎても体が冷えて風邪を引くようなことはありません。
また、ハッカ油そのものは熱中症の予防策とはならないということも示しています。
しかし、体感温度を大幅に下げてくれるハッカ油は、上手に使うことで夏場を乗り切るための縁の下の力持ちになってくれます。
ハッカの歴史を紐解いていくと、なんと約3500年前の古代ギリシアまで遡ります。
その頃にはすでに生薬として使われていたハッカは、2000年程前に日本に伝わり、以降食用や薬用として使われてきたそうです。
ハッカは 漢方の生薬(薄荷葉) として、以下の作用があるといわれています。
ただし、薄荷葉を一般の方が入手し利用するのはなかなか難しいですよね。
そこで、ここでは薄荷葉のもつ作用をハッカ油で代用する方法をご紹介します。
発熱時に、 食品添加物または医薬品グレードのハッカ油をスポーツドリンクに垂らして飲んでみましょう。
コップ1杯(200ミリリットルくらい)に対して、こどもは1~2滴、おとなは3~4滴を目安にしてください。
メントールの血行促進効果などが、腫れや痛み、かゆみを緩和してくれるため、ハッカの成分は市販の湿布剤や塗り薬などにも配合されています。
そのため、湿布剤や塗り薬がない場合には、ハッカ油を代わりに使うことができます。
効果が強すぎて、寒くなってしまう場合や痛みを逆に感じる場合は、ハッカ油を精製水で薄めてから使用してみてください。
ただし、 ハッカ油の塗布は傷口や出血を伴わない場合に限るので、捻挫や打撲(打ち身)、虫刺されなどの場合に使用しましょう。
ハッカの健胃・健腸作用は、過敏性腸症候群(IBS)や消化不良を改善するという報告もあります。
特に、 食べすぎてしまって胃がムカムカするときには、食品添加物または医療品グレードのハッカ油を垂らしたお水がよいといわれています。
このときのハッカの量は、コップ1杯(200ミリリットルくらい)に対して、こどもは1~2滴、おとなは3~4滴を目安にしてください。
風邪などで喉が痛いときには、 ハッカ水でのうがいが効果的です。
コップ1杯(200ミリリットルくらい)のお水に、こどもは1~2滴、おとなは3~4滴を入れたハッカ水でうがいをしてみましょう。
ハッカは漢方において亢精神作用(特にうつ症状やイライラなどを緩和する効果)があるとされており、実際うつ症状に使われる漢方にも配合されています。
憂鬱な気分になっているときや、気分が塞ぎこんでいる場合には、 セルフケアとしてアロマテラピーにハッカを活用してみるのも良いでしょう。
このとき、ハッカ油を エッセンシャルオイル の主剤としてくださいね。
気道には「綿毛」と呼ばれる菌やウイルスなどを体外に排出するものが存在します。
ハッカ油に含まれるメンソールには、その機能を活性化させる作用があるとされています。
そのため、 ハッカ油をマスクに塗布することで、風邪などの感染症にかかりにくくなる効果が期待できます。
ハッカ油には、呼吸器系に対する作用もあると言われており、去痰薬として働き、黄色や緑の痰がでる咳を鎮めるといわれています。
また、鎮静作用とうっ血を取り除く作用もあるといわれ、けいれん性の咳やぜんそく、気管支炎、副鼻腔炎などのセルフケアにも有効です。
その他、インフルエンザや鼻かぜの症状を緩和するともいわれています。
呼吸器系への対策としてハッカを使用する場合は、ハッカ油を火で炙るタイプのアロマテラピーがオススメです。
ハッカには殺菌作用もあると言われています。
ハッカの殺菌作用は、掃除や洗濯物の生乾き対策などに活用できます。
ハッカ油には、腸内環境を整える効果があるといわれています。
腸内環境が改善するとお通じがよくなり、体内にたまったよくないもの(例えば宿便など)が体外に排出されるため、これが美容効果に繋がると考えられます。
この場合には、コップ1杯(200ミリリットルくらい)のお水に、こどもは1~2滴、おとなは3~4滴を目安に入れたハッカ水を飲むと良いと言われています。
また、ハッカ油を使用したオイルマッサージもオススメです。
ハッカの血行促進効果によって新陳代謝が良くなり、筋肉のコリをほぐしたり、痛みを緩和したりといった効果があるといわれています。
ここまでハッカ油の特徴や効能について説明しましたが、実際にはどのように使えば良いでしょうか。
おすすめの使い方をご紹介します。
ハッカ油でルームスプレーを作り、臭いが気になるところにシュッとスプレーしてみましょう。
爽やかな香りが広がり、あっという間に気になる臭いを抑えてくれるはずです。
コットンやアロマストーンに数滴垂らして使うのも良いですね。
無水エタノール10mlにハッカ油10滴ほど垂らして混ぜ、その後精製水を20ml入れてさらに混ぜれば完成です。
ハッカ油は水に溶けないため、一度無水エタノールと混ぜてから水と混ぜてください。
お好みでラベンダーやベルガモット、レモンなどの精油をブレンドしても良いでしょう。
ハッカ油はその殺菌作用を活かして、掃除に使うこともできます。
雑巾がけをする時にバケツに2~3滴ハッカ油を垂らすと、掃除をしながら爽やかな香りを楽しむことができます。
重曹と合わせて使うのも効果的です。
スプレーボトルに水100mlを入れてハッカ油を1~2滴程垂らし、重曹を小さじ1杯加えてよく振ります。
これで油汚れに効果的な重曹スプレーの完成です。
※合わせて読みたい: 重曹で掃除や洗濯、消臭もできる!重曹の便利な使い方を紹介
ハッカ油の爽快感は眠気覚ましにももってこいです。
ハッカ油を1滴とり、耳の裏や首筋・こめかみなどに少しだけ塗ってみてください。
たちまち頭がスッとして、一気に眠気が覚めますよ。
長時間のドライブや試験勉強のおともにおすすめです。
ハッカ油の香りは人間にとっては清涼感がある良い香りに感じられますが、一部の虫はこの香りを苦手としています。
そんな特性を利用して、体に優しい虫よけスプレーを作ってみてはいかがでしょうか。
無水エタノール10mlにハッカ油10滴ほど垂らして混ぜ、その後精製水を90ml入れてさらに混ぜます。
ハッカ油は水に溶けないため、必ず一度無水エタノールと混ぜてから水と混ぜてください。
ハッカ油虫よけスプレーは、市販の虫よけスプレーより体やお肌に優しい素材で出来ています。
しかし、念のため 肌が弱い方やお子様には直接スプレーせず、手に取って薄く塗り広げるか周りの空間にスプレーして使うようにしてください 。
また、 効果が続く時間が短いため、1~2時間に1回には付け直す ようにしてくださいね。
ハッカ油は夏場の入浴剤としても大活躍します。
やり方は簡単、バスタブに ハッカ油を1滴 垂らして入浴するだけです。
ハッカ油風呂に入ると、入浴後の体のほてりや発汗量が驚くほど少なくなりますよ。
ハッカ油1滴では物足りなさを感じる方もいらっしゃるかと思いますが、 1回に使う量は多くても2~3滴 に留めることをおすすめします。
あまり入れすぎるとお風呂に入っているのに震えるほどの寒気を感じたり、肌が痛くなってしまったりとハッカ油の爽快感が逆効果になってしまいます。
ハッカ油風呂は清涼感を得られる以外にも、 殺菌作用のおかげでカビが生えにくくなる という嬉しい効果もあると言われています。
※合わせて読みたい: 人気のおすすめ入浴剤11選!疲労回復や冷え性、リラックス効果のあるヒット商品まとめ
ハッカ油は洋服の防虫剤としても使うことができます。
使い方は コットンやハンカチにハッカ油を数滴垂らし、タンスやクローゼットの中に入れておくだけ です。
洋服にもほんのりとハッカ油の香りが移って気持ち良いですよ。
香りが薄くなると効果が無くなってしまうので、定期的にハッカ油を垂らしてくださいね。
梅雨の時期はどうしても洗濯物が生乾きになって、臭くなってしまいがちですよね。
実はそんな時にもハッカ油が大活躍します。
使い方は簡単、 すすぎの際に洗濯槽の水にハッカ油を数滴たらすだけ です。
ハッカ油の殺菌作用と爽やかな香りが生乾きのイヤな臭いを防いでくれます。
洗濯物を干すとお部屋にハッカ油の爽やかな香りが広がり、じめじめした気持ちもすっきり爽快になりますよ。
※合わせて読みたい: 実はメリットがたくさんある洗濯板!選択方法や選び方、おすすめの洗濯板を一挙に紹介
ハッカ油は色々な用途で使うことができる、とても便利なアイテムです。
しかし、保管方法や使用方法を間違えてしまうと、せっかくのハッカ油が台無しになってしまいかねません。
ハッカ油は冷暗所に保管するようにしましょう。
品質が変わってしまうため、 直射日光が当たる場所は高温多湿になる場所に置いてはいけません。
また、引火性があるため、火の近くには置かないようにしてください。
その他、お子様やペットの手が届くところには置かないように注意してください。
色々な効果が期待できるハッカ油ですが、食品添加物または医薬品グレード以外は絶対に直接飲んではいけません。
なお、食品添加物グレードのハッカ油であれば紅茶やお菓子などの飲み物・食べ物の香りづけとしても使うことができますが、食品添加物グレードではないハッカ油は口に入れたり食べ物・飲み物の香りづけに使ってはいけません。
また、人間にとっては良い効果がたくさんあるハッカ油ですが、猫をはじめとした一部の動物にとっては有毒である可能性があると言われています。
飼っているペットに対してハッカ油がどのような効果をもたらすのか、必ず事前に確認してください。
その他、ハッカ油が多量に付着したものを乾燥機にかけてはいけません。
発火する可能性があります。
使い方の項目でも何度もお伝えしましたが、ハッカ油は非常に刺激が強い精油です。
ハッカ油は量を控えめに使う、あるいは薄めてから使うものであることを忘れないでくださいね。
今回は何かと便利なハッカ油の特徴やおすすめの使い方を紹介しました。
ハッカ油のひんやり感や爽やかな香りは、夏場は特に重宝しますよ。
ドラッグストアでも気軽にハッカ油を入手することができますので、気になる使い方があったらぜひ1度試してみてはいかがでしょうか。
もし医薬品グレードのハッカ油を使用するときや、症状が改善しないときなどは、医師・薬剤師・登録販売者に必ず相談するようにしてください。
監修:鍼灸・接骨・漢方の犬山堂代表兼院長 三輪 考司(みわ たかし)
明治国際医療大学卒業後、某有名人気番組でひざ関節評論家として有名な戸田先生とともに、変形性ひざ関節症用足底板(足関節固定バンドソフラウルファー®)の共同研究・開発を行う。
名古屋医専、ユマ二テク医療福祉大学校、名古屋平成看護医療専門学校、岐阜保健短期大学医療系専門学校での教育経験や多数の講演・セミナー経歴を経て、東洋医学に関する治療は、院内ですべておこなうことのできる全国的にも稀なワンストップ型東洋医学治療院として、鍼灸・接骨・漢方の犬山堂を開院し、代表兼院長をつとめる。
不定愁訴やメンタル(うつ)、変形性ひざ関節症、天気痛、尿トラブル、不妊症、ED、機能性ディスペプシア(FD)、過敏性腸症候群(IBS)など、現代の西洋医学では治療のむずかしい病気に対して、鍼灸および漢方を用いて東洋医学での先進的な治療を行っている。
最終更新日 : 2021/01/28
公開日 : 2019/02/13