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重曹は化学式NaHCO3で表される、弱いアルカリ性を示す物質です。
正式名称は「炭酸水素ナトリウム」、別名では重炭酸ナトリウム、ベーキングソーダ、重炭酸ソーダ、そして重曹と呼ばれています。
重曹には「食品添加物」「工業用」「医薬品用」の3つのグレードがあり、純度や不純物の多さによって使用用途が異なります。
掃除に使う重曹は100均で販売されているもの、掃除用と書かれているもので構いません。
それでは早速、重曹の使い方を見ていきましょう。
幅広く使うことができるその活用方法を解説していきます。
重曹はキッチンの掃除で最も力を発揮します。
油汚れや茶渋、焦げつきなど、食器用洗剤では取れない汚れを手軽に落とすことができます。
掃除を始める前に、基本の重曹スプレーを作っておくと便利です。
※基本の重曹スプレー: スプレーボトルにぬるま湯100mlと重曹を小さじ1杯程入れ、よく振り混ぜる
急須や湯呑についた茶渋は、重曹ですっきりと落としてしまいましょう。
重曹スプレーを吹きかける、あるいは水を含ませたスポンジに粉の重曹を少量つけて茶渋が気になる部分を磨きます。
しつこい茶渋が驚くほど簡単に取れますよ。
お気に入りの鍋がうっかり焦げついてしまった…そんな時も重曹の出番です。
粉の重曹を鍋の焦げつき部分にたっぷりとふりかけ、水を加えて10分ほど煮立てます。
※熱湯に重曹を入れると噴きこぼれて大変危険です、必ず上記の手順を守ってください。
その後、火を止めて数時間そのまま放置、お湯がぬるくなったら焦げつきをスポンジでこすります。
重曹の力で焦げつきが浮かび上がっているため、軽くこするだけでするりと取れます。
汚れが気になるところに重曹スプレーを吹きかけるか、布巾に吹きかけて汚れている部分を拭いてください。
べたべたとしつこい油汚れも、重曹を使えば簡単に取ることができます。
重曹スプレーで拭いたところはしっかりと水拭きしてください。
電子レンジを掃除せずに数年使い続けていると、重曹スプレーだけでは落ちないほど強力な汚れがこびりついていることがあります。
そんな時には、耐熱皿に水200mlに対して重曹を大さじ2杯ほど入れて溶かし、5分ほど温めてから扉を開けずに5~10分ほど放置します。
ある程度冷めたら耐熱皿を取り出し、乾いた布巾でレンジの中やお皿を拭き取ります。
これで重曹スチームの効果でガンコな汚れもあっという間に落とすことができます。
※電子レンジ掃除の関連記事: 電子レンジの掃除方法を紹介!油&水垢汚れの落とし方から汚れの防止策まで
重曹はお風呂の掃除でも活躍してくれます。
キッチン掃除と同じく、気になる部分に基本の重曹スプレーを吹きかけてスポンジでこすっていきます。
重曹スプレーの他にも、お風呂ならではの掃除方法も活用していきましょう。
残り湯にカップ1杯の重曹を入れて溶かし、洗面器や椅子などを浴槽に入れて1晩浸します。
翌朝スポンジで軽くこすり、シャワーで流せば浴槽もバスグッズもピカピカになります。
重曹を入浴剤代わりに使い、その残り湯を掃除に使えば、お肌もお風呂もツルツルになって一石二鳥です。
重曹スプレーでは落ちないガンコな汚れは、重曹ペーストを使って掃除をしましょう。
重曹ペーストは重曹と水を3:1の割合になるように混ぜ合わせて作ります。
汚れにしっかり張り付くように、少しもったりした感じのペースト状態にすると使いやすいです。
使い方は、風呂場の汚れが気になるところに重曹ペーストを塗り、ラップでパックするように覆って放置するだけです。
ペーストを塗って30分以上放置したら、風呂用スポンジや不要になった歯ブラシで優しくこすってシャワーで流します。
重曹には柔らかな研磨効果があるため、あまり強くこすってしまうと材質を傷つけてしまうことがある点だけ注意してください。
重曹はフローリングの掃除にも使うことができます。
皮脂でべたべたしてしまった部分には特に効果を発揮します。
まずフローリング掃除用の「重曹スプレー」と「クエン酸スプレー」を用意しましょう。
床掃除に使う重曹スプレーは、キッチンやお風呂用よりも薄めに作ることをおすすめします。
※フローリング掃除用重曹スプレー:ぬるま湯250mlに重曹を小さじ1程入れ、よく振り混ぜる
※フローリング掃除用クエン酸スプレー:水200mlにクエン酸を小さじ1杯程入れ、よく振り混ぜる
まず床に重曹スプレーを散布し、濡れ雑巾でしっかり拭き取ります。
その後雑巾をしっかり洗い、クエン酸スプレーを散布して再度濡れ雑巾でしっかりと拭き取ります。
重曹スプレーだけでも皮脂汚れは十分落ちるのですが、水拭きで重曹を取りきれず、白い重曹の結晶が浮かんでしまうことがあります。
弱酸性のクエン酸を使って重曹のアルカリ性を中和をすれば、結晶が浮かんでくることはありません。
重曹とクエン酸を使って掃除すると、フローリングの床がサラサラになりますよ。
ただし、床材が表面が加工されていない無垢や白木である場合は、重曹スプレーを使うことができません。
また、重曹スプレーは畳の掃除に使ってはいけません。
アルカリ性の重曹をかけると畳が黄ばんでしまいます。
万一畳に重曹がかかってしまった場合は、クエン酸をスプレーして中和すると黄ばみの進行を抑えることができます。
※フローリング掃除の関連記事: フローリングを綺麗に掃除できていますか?気になる汚れの原因からおすすめの掃除方法を紹介
重曹はトイレ掃除にも使えます。
酸性の汚れであるカビや黒ずみ、軽い汚れであれば重曹スプレーで十分に落とすことができます。
アルカリ性の汚れである黄ばみや尿石、水垢にはクエン酸スプレーを使うと良いでしょう。
基本の重曹スプレーを便器の中にまんべんなく吹きかけ、10分程放置してからトイレブラシで磨き上げます。
待っている間にトイレットペーパーや雑巾に重曹スプレーをかけ、床やトイレ本体を掃除しても良いでしょう。
床やトイレ本体を掃除した場合は、その後の水拭きを忘れないでくださいね。
水洗トイレのタンク掃除にも使うことができます。
重曹1カップをタンクの中に入れ、1晩放置してください。
カビ除去剤ほどの強力な効果ではありませんが、ある程度のカビやカビによる黒ずみを落としてくれます。
※トイレ掃除の関連記事: トイレ掃除の仕方やおすすめアイテムは?汚れの種類や原因、汚れにくくする方法も解説
重曹は掃除だけではなく、洗濯をする時にも大活躍します。
アルカリ性である重曹は洗濯物の主な汚れである「皮脂汚れ」に強く、その汚れをしっかりと落としてくれます。
洗濯洗剤の量を半分重曹に置き換えて使いましょう。
重曹だけ、洗濯洗剤だけのお洗濯よりも洗浄力がアップし、消臭や漂白の効果も期待できます。
ただし、重曹はやや水に溶けにくいため、あらかじめぬるま湯で溶いてから使うことをおすすめします。
使い方はすすぎの際、柔軟剤の代わりに重曹を入れるだけです。
重曹の量は水10Lに対して大さじ1杯程度を目安にしてください。
柔軟剤代わりに使う時も、あらかじめぬるま湯で溶いておくと溶け残りの心配がありません。
重曹を柔軟剤の代わりに使うと洋服をふわふわに仕上げて、静電気を抑えてくれます。
匂いが強い柔軟剤が苦手な方や、お肌が弱い方におすすめです。
布ナプキンや生理用ショーツなど、汚れが落ちにくいものをつけ置き洗いする時にも重曹が活躍します。
ぬるま湯1Lに小さじ1~2杯程度の重曹を溶かし、数時間つけてからもみ洗いをしてみてください。
重曹のアルカリ性は手の皮脂も除去してしまうため、肌が弱い方はゴム手袋をしてくださいね。
※洗濯機掃除の関連記事: 洗濯機の汚れの正体は黒カビ!?洗濯機のおすすめ掃除方法、汚れの防止策を紹介
重曹には汚れを落とす効果だけではなく、消臭効果もあります。
粉のままジャムの空き瓶などに入れ、臭いが気になる場所に置いておけば臭いを吸い取ってくれます。
使わなくなった靴下に重曹を入れ、靴の中に入れれば靴用の消臭剤としても使うことができます。
ただし、あまり広い空間では効果が薄くなってしまうためトイレや下駄箱、冷蔵庫などで使うことをおすすめします。
気付いた時にときおり粉をかき混ぜてあげると良いでしょう。
使う場所や用途にもよりますが、消臭効果が薄くなってきたと感じた時が替え時です。
使い終わった重曹は捨てずに、掃除に活用しましょう。
重曹は食品添加物にも使われるほど安全な物質ですが、使用する時にはいくつか注意が必要です。
まず肌が弱い方、手荒れしやすい方は、重曹を使う時にゴム手袋やビニール手袋をしてください。
目に入らないように注意して、万一目に入ってしまった場合はこすらずによく水で洗い流して医師の診断を受けてください。
重曹は常温ではとても安定性が高く、長期保管しても変性しにくいという特徴があります。
ただし、湿気を吸うと固まってしまうため、保管する時は高温多湿の場所は避け、きちんと密閉できる容器に入れてください。
また、重曹は毒性が強いものではありませんが、大量に飲み込んでしまったり粘膜に長時間触れ続けると悪い影響が出る可能性もあります。
子どもやペットの手が届く場所に置かないようにしてください。
重曹はキッチンからトイレまで、幅広い場所の掃除に使える便利なアイテムです。
強力な洗剤やカビ取り剤と比べてしまうと効果が緩やかではありますが、その分刺激が弱く有毒なガスが発生することもないので安心して使うことができます。
日頃の掃除や洗濯に、重曹を取り入れてみてはいかがでしょうか。
最終更新日 : 2021/09/13
公開日 : 2019/04/10