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馬油はその名前の通り、馬からとれる油のことです。
食用馬のたてがみや、お腹の部分からとれる皮下脂肪を精製した油をばーゆ・まーゆと呼びます。
馬油のルーツを遡ると、約4000年前の中国にたどり着きます。
なんと5~6世紀の中国では既に馬油が珍重されていたらしく、現代の医学にも通じる古代中国の「黄帝内経」や「本草綱目」といった書物にもその名前が登場します。
書物中ではシミやソバカスを除去する、肌荒れを治す、筋肉けいれんを緩和するといった薬効が書かれているそうです。
そんな馬油がいつ頃・どのようにして日本に伝わったかは定かではありません。
しかし、古くからひびわれやあかぎれ、軽いやけどなどの民間薬として用いられてきたことは確かです。
馬油が人の肌にどのように作用して肌荒れやひび割れ、あかぎれを治すのか詳しいメカニズムはまだはっきりとわかっていません。
ただ、数千年に渡る歴史そのものが、馬油に秘められたパワーを物語っています。
中国4000年の歴史を誇る馬油ですが、実際どんな特徴をもっているのでしょうか。
ここでは、知って欲しい馬油の魅力的な特徴を解説していきます。
脂肪は大きく分けると「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」の2つに分けられます。
飽和脂肪酸は肉、牛乳、バター、ラード、チョコレート、ココナッツ、パーム油などに多く含まれています。
動物が生きるための重要なエネルギー源ですが、多く摂りすぎると肥満や動脈硬化、心臓病などの成人病を起こすリスクが増えると言われています。
不飽和脂肪酸はオリーブオイル、アマニ油、青魚(イワシ、ニシン、サンマなど)に多く含まれています。
こちらも油なので、多く摂り過ぎると肥満の原因になりますが、飽和脂肪酸と比べると体に良い油であると言われています。
一般的に動物の油は飽和脂肪酸が多く、植物や魚の油は不飽和脂肪酸が多いとされています。
しかし、馬油は動物の油にも関わらず、不飽和脂肪酸が多いのです。
そして脂肪の組成が人間の脂肪と非常に似ているという特徴もあります。
そのため、馬油は非常に人の皮膚に馴染みやすく、また浸透性が高いと言われています。
馬油は食用馬の油からとったものです。
スキンケア中に少しくらい馬油が口に入ってしまっても、特に問題はありません。
その安全性は一部のメーカーでは「馬油を調理用油としても使っても差し支えない」と発表しているほどです。
安心安全の馬油は、赤ちゃんや敏感肌の方、アトピー肌の方のスキンケアにもおすすめです。
ただ、馬油がどれだけ安心安全なものでも、体や肌に合わない方もいらっしゃいます。
肌が赤くなる、吹き出物ができるなどの症状がでたらすぐに使用を中止してください。
馬油には魅力的な特徴があることがわかりましたが、実際どのように使えば良いでしょうか。
スキンケアやボディケア、ヘアケアにいたるまで幅広く使える馬油の使い方を見ていきましょう。
朝晩のいつものスキンケアに、馬油を使ってみましょう。
馬油をいつも使っている導入化粧品や乳液・クリームと同じように使えば大丈夫です。
馬油の保湿性を活かして、クリームや乳液代わりに馬油を使う方法です。
洗顔後にいつも通り美容液、化粧水を塗ってから馬油を塗ります。
馬油は、手に小豆粒程度の馬油をとって両手でプレスし、手のひら全体で薄く広げましょう。
馬油はナチュラルメイクのクレンジング代わりにも使うことができます。
馬油を多めに手に取り、優しくくるくると撫でながらメイクとなじませます。
この時にごしごしとこすらないように注意してください。
浮き上がったメイクは柔らかいティッシュやコットンで優しく拭き取りましょう。
その後、洗顔料を使って残ったメイクをしっかりと落とします。
馬油クレンジングをするとしっかりメイクが落ちる上に、お肌がもちもちになります。
ただし、ウォータープルーフのマスカラやアイライナーを使っている場合は、メイクが落ちにくい場合があります。
そんな時は、事前にポイントメイクリムーバーを使っておくと良いでしょう。
馬油はお化粧前のスキンケアにも使うことができます。
洗顔後小豆粒程度の馬油を塗り、5~6分置いてからいつも通りメイクをします。
それだけで1日肌はしっとり、乾燥を気にせずに過ごすことができますよ。
馬油は浸透性が高いため、塗った後すぐに化粧をしない方が良いでしょう。
ちなみに、馬油には紫外線をブロックする効果はありません。
一見万能に見える馬油ですが、日焼け止めの代わりにはならないことに注意が必要です。
日焼けして炎症を起こしてしまった肌のケアには力を発揮します。
馬油は顔だけではなく、ひじやひざなどかさつきが気になる場所にも使うことができます。
医薬品ではありませんが、ひびわれやあかぎれが良くなったという声も聞きます。
また、栄養をたっぷりと含んでいるため、指先や爪のケアにも効果的です。
寝る前に爪の根元や指先をマッサージしながら、少量の馬油を塗りこんでみてください。
馬油はヘアケアにも使うことができます。
髪の毛のハリやコシが無くなってきた…そんな方には馬油を使った頭皮マッサージをおすすめします。
やり方は簡単、髪の毛を洗う前に馬油を手に取って、頭皮を優しくマッサージしてから20分程放置します。
その後、いつも通りにシャンプーやリンスをすれば大丈夫です。
頭皮や毛根に馬油の栄養がしっかりと行きわたります。
毛先のパサつきやゴワゴワ感が気になる方は、ドライヤーでブローする前に馬油を毛先に付けてみてください。
たくさん手に取ってしまうと髪の毛がべたついてしまうため、使う量は米粒~小豆大くらいで十分です。
スキンケア後に手に残った馬油を少し毛先につけるだけでも、だいぶ髪の毛の感じが変わりますよ。
中には馬油のおかげでリンスやコンディショナーが不要になったという方もいらっしゃいます。
馬油を使ってみたいと思っても、数が多すぎてどれを選べば良いか迷ってしまいますよね。
そんな馬油ビギナーさん向けにおすすめの馬油を紹介します。
馬油は100%馬油のみのタイプ、酸化防止剤(ビタミンEなど)が入っているタイプ、ミツロウや香料が入ったタイプなどいくつかのタイプに分かれています。
馬油の効果を感じるためには100%馬油の純馬油を使った方が良いのですが、油なのでどうしても特有の臭いがあります。
油の臭いが苦手な方は、香料入りのものを試してみるのも良い方法です。
また、馬油を製造・精製するためには、高い技術が必要です。
残念ながら不純物が混じったままの馬油や、混ぜ物がされている粗悪品も市場に流通していることがあります。
馬油の効果を実感するためにも値段に惑わされず、信頼できるメーカーの商品を選ぶことをおすすめします。
「馬油といえばソンバーユ」と言われるほど王道の馬油です。
ソンバーユは食用油でしかなかった馬油を化粧品として使えるように開発・研究した、馬油のパイオニアです。
今や当たり前の「馬油」という名前自体が、実はソンバーユの登録商標なのです。
昭和46年の発売以降、長く愛されてきたソンバーユの品質の高さは折り紙付き。
無香料だけではなく香り付きのもの、液体のもの、馬油を使った石鹸など数多くの製品を販売しています。
馬油選びに迷ったらとりあえずソンバーユにしておけば間違いはありません。
ドラッグストアやスーパーなど店頭でも多く取り扱われています。
メーカー:ソンバーユ
価格:1,415円(税込み)
内容量:70ml
国産の馬油を使用した100%純粋な馬油です。
非常にキメが細かく、伸びが良いため少量でしっかりと保湿効果を感じることができます。
無香料なので少し油特有のにおいがしますが、獣臭のような嫌な香りではありません。
テクスチャは少し固めで、直接触れなくても使えるようにスパチュラが付属しているのも嬉しいポイントです。
ドラッグストアで手軽に購入することもできます。
メーカー:一光化学
価格:1,296円(税込み)
内容量:70ml
北海道および国産の馬油を使用した安心安全な馬油です。
なんと、メーカーがこの馬油を食用油として使った炒飯の調理風景を公開しています。
食べても問題無いほど、品質に自信があるということですね。
非常に肌馴染みが良く、べたべたしないため用途を問わず使うことができます。
においは抑えられているものの、精製度が高いものに比べるとやや獣臭が気になるという声もあります。
メーカー:北海道純馬油本舗
価格:1,480円(税込み)
内容量:70ml
「天然良質 北海道純馬油」と同じメーカー「北海道純馬油本舗」の馬油です。
馬油特有のにおいを独自製法で除去している、より使いやすいタイプの馬油です。
100%純粋で高品質な馬油は、大人だけでなく子ども、赤ちゃんも安心して使うことができます。
敏感肌やアトピーの方でも愛用しているという声も多数あります。
メーカー:北海道純馬油本舗
価格:2,500円(税込み)
内容量:100ml
馬油100%ではなく、ミツロウとハッカ油が入った馬油クリームです。
ミツロウが入っているためテクスチャはとても固く、夏場でも簡単に液状になることもありません。
さわやかなハッカ油の香りが特徴で、馬油のにおいが苦手な方にもおすすめです。
塗ると強すぎないスーッとした清涼感があり、非常に爽やか。
夏場やお風呂上りの火照った体に使うととても気持ちが良いです。
ただし、目の周りや粘膜に使うと刺激が強すぎるため避けるようにしてください。
メーカー:北見ハッカ通商
価格:1,080円 / 3,780円(税込み)
内容量:20g / 80g
「とにかく価格を重視したい!」という方におすすめなのがこちらの馬油です。
100%馬油としては非常にお手頃な価格のため、全身にたっぷり使うことができます。
他の馬油と比較すると少しゆるくて液体になりやすいため、特に夏場の管理方法には注意してください。
開封後は冷蔵庫で保管すると良いでしょう。
メーカー:井藤漢方製薬
価格:799円(税込み)
内容量:70ml
馬油の中でも特に比重が軽い部分だけを使用した、珍しい液体タイプの馬油です。
手のひらで溶かす必要がなく、さっぱりとした使い心地は朝の忙しい時間帯や夏のスキンケアにぴったりです。
液体ですがノズルの口が細いため、少量ずつ必要なだけ手に取ることができます。
直接馬油に触れなくても良く、衛生的に使うことができるところもポイントです。
メーカー:ソンバーユ
価格:1,269円(税込み)
内容量:55ml
酸化防止剤のトコフェロールが添加されたタイプの馬油です。
ややべたつきが気になるという声もありますが、その反面かなり伸びが良いのが特徴です。
においも気にならないため、スキンケアだけに留まらずヘアケアに使用している方も多いようです。
メーカー:サカエ商事
価格:1,680円(税込み)
内容量:80ml
全身に使えて体に優しい、馬油の魅力が少しでも伝わったでしょうか。
スキンケア用品に悩んでいる人、お肌の乾燥やひび割れ・あかぎれに悩んでいる方には特におすすめしたい一品です。
ドラッグストアや通販で気軽に購入することができますので、ぜひ一度試してみてくださいね。
監修:サマンサクリニック院長 貞政裕子(さだまさひろこ)
順天堂大学附属病院での18年間の勤務に加え、日本皮膚科学会、日本美容皮膚科学会、日本美容外科学会など複数の学会に所属。
現在は サマンサクリニック の院長を務める。
一般皮膚科に加え、美容皮膚科、小児皮膚科も診療する。
しみ・しわ・たるみ・にきびなど保険診療の枠を超えた治療も行うが、「保険でできることはまず保険で!笑顔を大切に!」がモットー。
公開日 : 2019/02/09