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刺し子は布が貴重だった時代に、衣服の防寒や補強を目的として使われてきた手法です。
衣服が痛めば何枚も布を重ねては頑丈に補強し、ものを大切にしていた時代だからこそ生まれた手仕事と言えます。
何度も何度も縫っていくうちに、だんだんと装飾的な要素が加わり、現代まで受け継がれてきたのです。
縫い目で模様を描く手法は全国各地で伝わってきましたが、有名なのは東北地方の「こぎん刺し」「菱刺し(ひしざし)」「庄内刺し子」です。
他にも、一目ずつ刺していくと裏と表で異なった模様ができる「一目刺し」など、東北地方には各地で特化した手法が確立されてきました。
刺し子の手法は昔から変わること無く、本来の役割が薄れてきた今も、布巾や小物の装飾として施されています。
最近では主婦を中心に刺し子をする方が増えてきており、SNSの「#刺し子」タグも賑わっています。
刺し子には伝統的な模様が多く使われています。
最近では星柄やくだもの柄などカジュアルな模様で縫う方も増えてきましたが、刺し子といえば伝統模様のイメージが強いですよね。
それぞれの模様は意味を持っており縫う人の願いが込められているので、使用する場面やプレゼントに合わせて模様を選んでみてはいかがでしょうか。
麻の葉模様には「子どもの成長を願う」という願いが込められています。
麻のように丈夫にまっすぐ育つようにと、赤ちゃんの産着にも使われていた模様です。
筆者も子どもの出産祝いにお友達から麻の葉模様の刺し子ふきんをもらいましたが、模様に込められた意味を知ってとても嬉しく思いました。
青海波は海の波をあらわす模様で、「大海原の波のように穏やかな暮らしが続くように」という願いが込められています。
左の画像のように交互に色を変えるのもお洒落ですよね。
グラデーション糸を使うとガラリとイメージが変わってカジュアルな印象になります。
同じ大きさの円を無限に組み合わせて出来る七宝つなぎは七つの宝をあらわし、「円満や平和」という願いが込められています。
大切な人への贈り物に選んでみても良いですね。
十字つなぎは「十」が 連続している模様です。
十には「完全・満ち足りている」という意味があり、十が連続することでとても縁起がよい模様として好まれてきました。
シンプルに一色で縫うのも良いですが、縦と横の糸を別色にするのもおすすめです。
柿の花には「ひとつも無駄が無い」「防虫」「豊作祈願」という意味が込められています。
昔の人ならではの生活に寄り添った意味と言えるでしょう。
刺し子に向いている布は針通りの良い平織りの布です。
布おむつに使われる「さらし布」や「刺し子木綿布」が一般的ですが、リネンや藍染の布も一味違った仕上がりになるのでおすすめです。
その他の生地でも刺すことは出来ますが、薄すぎると生地がつれてしまい、厚すぎると針通りが悪くなってしまうので、布を選ぶ際は注意してください。
初心者さんで「一度試してみたい」という方は、すでに図案が描かれている布を使うと図案を書き写す手間がはぶけて始めやすいですよ。
図案の描かれた布は刺し子に慣れている方でも使うことが多いそうです。
価格:899円(税込)
サイズ:33cm×5m
価格:346円(税込)
サイズ:31cm×31cm
価格:320円(税込)
サイズ:31cm×31cm
通常の縫い針で代用することも出来るのですが、できれば刺し子用針の使用をおすすめします。
縫い針と違うのは糸を通す穴の大きさと針の長さです。
刺し子糸は通常の縫い糸よりも太いため、縫い針では糸を通すのにとても時間がかかってしまうでしょう。
また、針の長さがあることで一度に多くの針目を通すことが出来るため、短時間で刺し終わることも可能になります。
価格:432円(税込)
内容:8本入り(0.84×50.8mm・0.99×44.5mm・0.91×42.9mm・0.89×34.9mm 各2本ずつ)
刺し子用の糸には「合太」と「細」の2種類があります。
合太はふっくらとした仕上がりになるので大胆な模様に適しており、細は細かく繊細な模様に使うとデザインが引き立ちます。
デザインに合わせて糸の太さを変えてみましょう。
価格:1,652円(税込)
内容:50m×8色、指ぬき、刺し子針
図案を書き写して指す場合、初心者さんはまず本を1冊用意するのがおすすめです。
ご紹介する「刺し子のふきん」は多くの実物大&縮小図案が掲載されているので、図案を作成する手間がいりません。
糸の色使いもシンプルなものからポップなものまであって、とても参考になります。
価格:1,080円(税込)
刺し子をはじめるには、まずは図案を用意しなくてはいけません。
多くの本には原寸大の見本図案が載っているので、それらを写すのも簡単でおすすめです。
図案作りは方眼紙や斜眼紙(マスが三角形のもの)を使って作成していきます。
一度作ってしまえば何度でも使えるので、出来上がったものは大切に取っておいてくださいね。
刺し子は一度始めると没頭してしまうので、家事や仕事の息抜きがてら…と思いながらもついつい針を進めてしまうんですよね。
同じ間隔で針を通していくという単純作業ですが、出来上がった時の達成感はとても大きいものです。
糸の始末は玉止めを作らずに折り返し縫う方法もあるのですが、今回は初心者さん向けに玉止めで始末する手順をご紹介します。
刺し子用の針は針穴が大きめに作られているので、糸通しは簡単に出来ます。
針に糸を引っ掛けて二つに折るように引っ張り、折りぐせのついた部分を針に通すのが簡単な通し方です。
糸の先っぽを通そうとすると、先端が広がってしまい難しいかもしれません。
刺し子は一度に多くの針目を通すため、指ぬきがあると力が入りやすくとても便利です。
指ぬきは針を持つ手の中指の第一関節と第2関節の間にはめます。
針のお尻を指ぬきにあてながら、針通しをしていくイメージです。
本やネットの情報では「約10cmは続けて刺しましょう。」と書いてあるところが多いのですが、初心者さんにはなかなか難しいかと思います。
慣れてくれば10cmでも簡単に刺せるかもしれませんが、無理せず自分の刺せる範囲で連続して通してみてください。
既に図案が描かれている布を使う場合は、ガイド線の通りに刺せば上手に仕上がります。
自分で図案を書いた場合は、刺し子の糸は表に出る分量が多く、縫い目と縫い目の間隔が狭くなることを意識しながら針をすすめましょう。
イメージとしては、2(縫い目):1(隙間)くらいでしょうか。
数センチ連続して針を通したら一度針を引いて、刺した部分の糸をしごきます。
布が縮んでいないか確認しながら丁寧に行いましょう。
糸を引っ張りすぎると布がよれ、ゆるすぎると糸が浮いてきます。
はじめは平らなところに置いて、よれや緩みが無いか確認しながらすすめてください。
1本分の糸が終わりそうになったら裏側で玉止めをします。
この時きつく引っ張って玉止めをしてしまうと布がよれてしまうので、糸を引っ張りすぎないように注意しながら玉止めをしましょう。
刺し子というと和のイメージが強いですが、色使いを変えるだけでとても明るい印象になります。
また、ふきんやコースターだけではなく、目隠しやインテリアとしてもおしゃれに大活躍。
ここでは、おしゃれな刺し子作品をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
裁縫が得意な方は、巾着やポーチにするのもおすすめです。
おしゃれなだけではなく、刺し子をほどこすことで丈夫になるのもメリットです。
作ったふきんは、かごバッグの目隠しとして使うのもおすすめです。
タオルやハンカチよりもグッとおしゃれ度がアップします。
糸の色が変わるだけで随分とイメージが変わるのも刺し子の魅力のひとつです。
刺し子用の糸ではなく、カラフルな刺繍糸を使ってみても良いですね。
初心者さんは小さなコースターから始めてみてはいかがでしょうか。
様々な柄があるとテーブルの上も賑やかになりそうです。
上手に出来た作品はインテリアとして飾ってみても良いですね。
額縁に入れて飾るのもおすすめです。
今では白い布に紺や赤などの刺し子糸で縫うイメージが強いですが、江戸時代に農民が身に付けられる衣服は紺や灰色ばかりでした。
「限られた中で持っているものを大事にしておしゃれを楽しむ」という姿勢は、何でも手に入る時代の私たちも意識していきたいですね。
公開日 : 2019/07/26