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生理中は心身ともにストレスがたまりやすくなります。
そのストレスを、好きな物を好きなだけ食べる、たくさん汗をかいてデトックスするといった方法で発散されている方が、もしかするといるかもしれません。
ストレスと上手に向き合うことは良いことです。
しかし、月経中の女性のからだは、それだけでかなりの負荷がかかっています。
特に生理痛がつらい人にとって、避けた方がいい食べ物、飲み物、運動などがあるためご紹介します。
例えばアイスクリームなどのからだを冷やす食べ物。
こうした冷たい食べ物は血流を悪くし、経血の排泄がスムーズにいかなくなる要因となるため、避けた方が良いでしょう。
また、添加物を多く含むインスタント食品も血流を悪くします。
糖類を多く含むお菓子などはホルモンバランスを崩すため、食べ過ぎに注意してください。
カフェインを多く含むコーヒーや濃いめのお茶、紅茶などもからだを冷やします。
また、生理中の飲酒は、アルコールが血流を促進し、経血量が増えてしまうことがあります。
経血量が増えると貧血を起こしやすくなるため、お酒の量は普段より控えるようにしましょう。
生理中は貧血傾向になりがちなため、激しい運動は避けた方が良いです。
ホットヨガなど高い室温の中でのスポーツは短時間で大量に汗をかくため、脱水や貧血を起こしやすくなります。
また、水泳は外部からの細菌が入りやすいことや、出血による周辺環境への影響などを考慮して避けた方が良いでしょう。
さらに、生理中の性交渉は性感染のリスクとなります。
生理中は免疫力が低く、生理血の中に多く含まれる雑菌によって性感染症を起こすことがあるためです。
また、血液が逆流して卵管が炎症を起こす可能性もあります。
これは子宮内膜症や不妊、子宮外妊娠の原因となります。
次に、具体的な生理痛の緩和方法をご紹介します。
生理中に大切なのは血流をよくすることです。
入浴ではぬるめの湯船にゆったり浸かり、デスクワークが続く場合などは、膝掛けや毛布を使うなどして下腹部や腰まわりが冷えるのを防ぎましょう。
腹巻き、カイロなどの使用もおすすめです。
軽いストレッチは、緊張した骨盤を緩めることによって腰まわりの血行をよくする効果があります。
骨盤や股関節のまわりの筋肉を動かしたり、足の付け根の筋肉を伸ばすことを意識しましょう。
ただし、生理痛のひどいときの無理は禁物。
からだを休めながら無理のない程度に行うことが大切です。
大豆食品は女性ホルモンのバランスを整えてくれる食材として代表的なものです。
納豆や豆腐、豆乳、味噌など意識して取り入れると良いでしょう。
からだを温めてくれる食材としては、生姜が挙げられます。
すりおろして豆腐に乗せると、大豆との組み合わせで効果は倍増します。
また、ジンジャーティーもおすすめです。
その他、鶏・牛・豚の肉、青魚に含まれる動物性たんぱく質はからだの調子を整え、不足した血液を補ってくれるので、生理中に摂った方が良い食材と言えます。
漢方薬は一時的な症状だけでなく、からだの内側からの根本改善を目的としていますので、生理がくるたびにお悩みの方や、セルフケアでは効果を感じなかった方でも、体質から改善を目指せます。
以下に、つらい生理痛にお悩みの方におすすめの漢方薬をご紹介します。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん) :虚弱で、疲れやすく、足腰が冷えやすい方に
血行を促し、余分な水分を排出することで、むくみ、冷えを改善し、婦人科系の機能を高めます。
生理痛のほか不妊症などにも用いられます。
加味逍遙散(かみしょうようさん) :イライラやヒステリーなどの精神不安のある方に
血を補って巡りを促し、からだの熱を冷ますさことで、生理痛のほか、生理前や更年期のイライラなどの精神症状に用いられます。
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん) :比較的体力があり、冷えのぼせがある方に
血の滞りを取り去ることで、血のめぐりを整え、生理痛のほか、にきび、肩こり、打ち身などにも用いられます。
このように、漢方薬はご自分の状態や体質によって選択されるお薬は異なります。
自分に上手く合っていないと、効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じることもあるため、「あんしん漢方」などのオンライン漢方サービスに一度相談してみるのも良いでしょう。
※あんしん漢方: コチラ
ここまで、つらい生理痛を楽にする方法についてお伝えしました。
しかし、生理痛以外にも次のような症状がある方は注意が必要です。
以下に挙げる症状がある場合は病気が隠れている可能性があるため、原因を専門医に診てもらう必要があり、場合によっては治療が必要となることもあります。
正常な月経の範囲から外れると、生理不順とされます。
生理不順の目安は「生理周期が25日未満 or 45日以上」、「2〜3ヶ月生理がない」、「月に何度も生理がくる」状態をいいます。
生理不順になる理由としては、疲労やストレスによるホルモンバランスの乱れ、性器の異常、染色体異常など様々な原因が考えられます。
しかし、生理不順だからといって必ずしも治療が必要になるとも限りません。
きちんと受診し、治療するべき症状なのかどうかを専門医に診断してもらいましょう。
経血の状態の変化に気付くためには、ご自身で日頃から経血の量や状態をよく観察し、今のからだの状態を知ることが大切です。
血の塊がドロッとした状態でたくさん出る月経を「過多月経」といいます。
小さな塊が混じる程度ならあまり心配することはありませんが、例えば夜用ナプキンが漏れるほど経血量が多い、あるいはレバー状の大きな塊が多く混じるなどの症状がある場合は婦人科を受診してください。
婦人科系の病気(子宮筋腫や子宮腺筋症、子宮内膜増殖症など)が原因の場合もありますし、女性ホルモンの分泌異常が原因の場合もあります。
生理が始まる直前から生理が終わるまでに起こる不快な症状のことを「月経困難症」といいます。
月経困難症の程度には個人差がありますが、仕事や日常生活に支障があるほどの痛みがでる場合や、市販の鎮痛剤で対処できないほどの症状を訴える方も多いです。
月経困難症には2種類あり、「機能性月経困難症」(原因となる病気が見当たらない)と、「器質性月経困難症」(病気が原因である)に分けられます。
「機能性月経困難症」は年齢があがるにつれて軽減される傾向にあります。
子宮内膜のプロスタグランジンという物質の分泌が増えて、痛みを増殖させたり、子宮の収縮を促したりすることで起こると考えられています。
「器質性月経困難症」は、子宮内膜症、子宮筋腫、子宮腺筋症などが原因となっていることが多いです。
生理以外に出血があることを、不正出血といいます。
ただし、少量の出血の場合はあまり気にすることはありません。
少量の不正出血の多くは「排卵期出血」といって、排卵期(生理と生理の間の時期)に起こるホルモンバランスの変化によるものです。
しかし、不正出血を繰り返すような場合や、出血が2週間以上続く場合は病気の可能性があるため、一度医師に相談することをおすすめします。
子宮頸がん、子宮体がん、子宮筋腫、膣がん、子宮頚管ポリープといった病気も考えられるので、放置してはいけません。
女性として性を受けた以上、生理との付き合いは長く続きます。
生理中に痛みがないにこしたことはありませんが、多くの女性がその痛みを経験します。
我慢するのではなく、セルフケアや食事などを意識しながら、少しでも痛みを緩和していけるよう日常生活を工夫してみてください。
ただし、異常を感じたらすぐに婦人科を受診するようにしましょう。
執筆・監修:薬剤師 白倉 みか
横浜、都内で病院薬剤師として12年間勤務する。
アロマテラピー検定一級。
仕事をしながら結婚、出産、育児といったライフイベントとの両立の大変さを体感する。
自らの経験から、現代の働く女性に寄り添う形で薬や医療の知識を一般にわかりやすく広めたいと考えている。
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最終更新日 : 2021/04/05
公開日 : 2021/04/04