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肩こりとは、肩の血行が悪くなることで老廃物が蓄積し、つっぱり感とだるさ、重さ、痛みなどの不快感、疲労感を引き起こす症状の総称です。
2016年の厚生労働省の調査では、日常生活で感じる症状として女性では第1位、男性でも第2位となっています。
では、そんな肩こりはどういったメカニズムで起こるのでしょうか。
デスクワークで同じ姿勢が続いたり、ストレスがあると血管が収縮して血流が悪くなります。
血流が悪くなると酸素が運ばれにくくなり、筋肉は酸欠状態になります。
また、血液の流れに乗って排出されていた老廃物が溜まりやすくなり、老廃物が血管を圧迫してコリやしびれなどの症状が現れます。
そして、「ブラジキニン」や「プロスタグランジン」といった痛みを引き起こす物質の産生が促されるため、痛みを感じるのです。
もはや「国民病」とも言える肩こり、その原因は普段の生活の至る所に潜んでいます。
ここからは、肩こりを引き起こす原因をご紹介します。
肩こりの原因は多岐にわたりますが、主な理由として以下のものが上げられます。
現代人に欠かせないスマホやPCを見る姿勢は、首の自然なカーブが失われて真っ直ぐになってしまった状態(ストレートネック)を引き起こします。
すると頭の重みがダイレクトに首や肩に加わることになるため、肩周辺の筋肉に負担がかかります。
人間の頭の重さは体重の約10%と言われていますので、その重さで肩周辺の筋肉がこったり痛みを感じるようになってしまうのです。
また、同じ姿勢を続けると血行が悪くなるため、デスクワークの方は肩こりになりやすいと言えます。
ストレスを感じると自律神経の交感神経が優位となり、血管が収縮することで血行が悪くなり、肩こりが引き起こされます。
肩こりはうつ病の症状の1つとしても挙げられ、ストレスとは密接な関係があります。
日頃からストレスを溜めない生活を心がけましょう。
※合わせて読みたい: 【原因別】疲れた時の対処法&今すぐできる気分転換法
筋肉は伸び縮みすることで血液の循環を助けるポンプのような働きをしています。
運動不足になると筋力や筋肉のしなやかさが低下しますので、血行が悪くなり肩こりの原因となってしまうのです。
また、弱った筋肉で体を支えようと筋肉に多くの負担がかかり、肩こりを引き起こします。
運動はストレスを解消する働きもありますので、肩こりの原因を取り除くには効果的と言えるでしょう。
メガネが合ってない、乱視がある等の原因で物が見づらいと、眼精疲労が引き起こされて肩がこります。
月経前に心身の不調が現れるPMS(月経前症候群)で、肩こりを訴える女性が多いことが判明しています。
PMSは月経前に急激に女性ホルモンバランスが変化することで脳のホルモン分泌などに異常を引き起こすことが原因と考えられています。
月経前3~10日前に症状が強くなり、月経が終わると症状が改善していくのが特徴で、「肩がこるのはいつも生理前」という女性は月経前からストレッチを取り入れましょう。
椎間板は骨と骨の間にあるクッションのような柔らかい組織ですが、椎間板の一部が変性して飛び出し、神経が圧迫されて痛みが起こるのがヘルニアです。
慢性的な腰痛や脚のしびれなどを引き起こし、常に不自然な姿勢でいたり、身体がこわばっていたりすることで肩こりが引き起こされることも少なくありません。
四十肩・五十肩や頸椎症でも同じ原理で肩こりが起こることがあります。
冬は特に「冷え」で、血流が悪くなり肩こりを感じる人が増えます。
在宅時やオフィスなどの室内では「蒸しタオル」や「 首肩用カイロ 」などで、外出時はマフラーやストールでとにかく肩を温めましょう。
また、寒さから自然と猫背になることやコートの重さ、外に出ることがおっくうになり運動不足になりがちなことも肩こりの原因となります。
そんなときは室内で簡単にできるストレッチや、首や肩甲骨を動かすエクササイズ、筋トレが効果的です。
ここからは、簡単に家やオフィスでできるストレッチをご紹介します。
辛い肩こりを簡単に解消できるストレッチをご紹介します。
オフィスで座ったまま出来るもの、家でタオルを使うものなどを取り上げますが、いずれも「すぐ効いて短時間で終わる」所がポイントです。
忙しい時ほどストレスや目の疲れで肩がこりやすいので、即効性のあるストレッチで疲れをほぐしましょう。
腕から首にかけてのストレッチです。
続いては上腕部~肩にかけての筋肉をほぐす動きです。
上記2つの方法は動きが少ないので、オフィスでの休憩時間に気軽に行う事が出来ます。
筋肉に力を入れる→緩めることで血流を良くしコリをほぐしていきます。
まずは肩のストレッチです。
続いては背中のストレッチです。
時間に余裕のある方は顔、手、腹部なども10秒間緊張→20秒間脱力を繰り返してみましょう。
次は肩甲骨のストレッチです。
上腕を使った「背泳ぎストレッチ」です。
最後にタオルを使ったストレッチです。
長めのタオルを用意して行いましょう。
ストレッチやマッサージも大事ですが、肩こりの原因である悪い姿勢や運動不足・ストレスを取り除くことも大切です。
適度な運動と良い姿勢、健やかな精神状態でこりを予防することが出来ます。
中でもストレス解消と運動不足を同時に解決できる「運動」は一石二鳥の予防法です。
例えばデスクワークの方は細かく休憩を取る、前傾姿勢や長時間同じ姿勢にならないよう意識することを心がけるようにしましょう。
良い姿勢を維持するための方法でおすすめなのは「操り人形イメージ法」です。
「操り人形イメージ法」とは、まるで自分が操り人形のように頭の上から糸が伸びていて、常に真っ直ぐ引っ張られているイメージを思い描く方法です。
猫背の方も首が前に傾かずに背筋が伸び、自然と良い姿勢を保つことが出来ます。
ただ、「良い姿勢を保たなくては」と意識すると気を張って疲れますし、意識しすぎて腰が反る「反り腰」になってしまうケースがあるので、やりすぎには注意してください。
肩こりの方におすすめの運動は水泳や ヨガ です。
水泳の中でも背泳ぎとバタフライには、腕を上下にバタバタと動かす肩こりが楽になる動きが含まれています。
「運動不足と肩こりを同時に解消したい」という方はプールに行き水泳をすると良いでしょう。
ヨガも「猫のポーズ」という、四つん這いの状態で背中を丸めた後背中を反らせるポーズは肩周りのストレッチとなり肩こりが楽になります。
他にも肩こりを解消するポーズが多いので、日々の運動として取り入れていきましょう。
今回は肩こりの原因をはじめ、肩こりを解消するストレッチや予防法をご紹介しました。
肩こりのメカニズムや原因を知ることで、肩こりを軽減する工夫ができます。
それでも肩がこった時は、ストレッチで心と体をほぐしましょう。
日頃からストレス解消・運動や良い姿勢を心がけることも大事です。
肩こりに負けない元気な心と体で、毎日を豊かに過ごしていきましょう。
監修:医師 成田 亜希子(なりた あきこ)
2011年に医師免許を取得。
日本内科学会、日本公衆衛生学会、日本感染症学会、日本健康教育学会所属。
初期臨床研修修了後は、一般内科医として幅広い分野の疾患の治療に従事している。
行政機関への勤務経験もあり、健康増進や感染症対策、母子保健などの政策に医師という立場で携わっていた。
プライベートでは二児の母。
趣味は乗馬、旅行、料理。
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最終更新日 : 2021/06/09
公開日 : 2019/12/30