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糖質とは、三大栄養素である「炭水化物」「たんぱく質」「脂質」の中の炭水化物の一種です。
炭水化物は、私たちの身体に吸収されてエネルギーになる糖質と、吸収もされずエネルギー源にもならない食物繊維に分類されます。
糖質は1gで約4キロカロリーのエネルギーを作り出すとされており、私たちが生きていく上で欠かせない栄養素です。
一日のエネルギー源の50~65%程度を糖質から摂るのが理想とされています。
糖質はお米、パン、麺類などの主食、砂糖を使用したお菓子や果物など多くの食材に含まれているので、日頃から気付かぬうちに多くの糖質を摂取しているのです。
糖質制限ダイエットとは、意識的に糖質を制限した食事を摂るダイエット方法です。
しかし、上述した通り糖質は私たちが生きていく上で必要なエネルギーの源となる大切な栄養素なので、完全に摂取しないことを目指すのではありません。
理想的には、一日の摂取カロリーの10%程度に抑えることを目指します。
糖質は1gで4キロカロリーのエネルギーとなります。
一日の摂取カロリーは人それぞれなので、どれくらいの糖質を摂取すれば良いのか計算してみましょう。
糖質は私たちが生きていく上で非常に大切な栄養素の一つですが、摂取を制限することで次のようなダイエット効果が期待できます。
糖質の一部は私たちの身体の中でブドウ糖と呼ばれる物質に変ります。
ブドウ糖は小腸の壁から身体の中に吸収されてエネルギーが作られます。
しかし、ブドウ糖が多く吸収されるとエネルギー源として使われなかった余りが脂肪に取り込まれることに。
多く摂りすぎた糖質は脂肪に変換され、引き締まった身体から遠のいていくのです。
身体に必要なエネルギーを作るのは糖質です。
しかし、糖質が不足するとエネルギーも不足するため、私たちの身体にはエネルギーを別の方法で作る仕組みが備わっています。
その一つが脂肪がケトン体と呼ばれる物質に変わり、エネルギー源になる仕組みです。
エネルギーを作り出すために脂肪がどんどん燃焼されることになるため、体重が落ちる以上に「見た目」が細くなる効果が期待できます。
糖質制限ダイエットは脂肪をつきにくくし、すでにたまった脂肪を燃焼させる効果が期待できます。
一般的に良く行われているダイエット方法でもあるため、自己流で糖質の摂取を控えるようにしている方も多いでしょう。
しかし、糖質は生きていくために必要なエネルギーを作り出すための大切な栄養素です。
過度に制限するとエネルギーが不足して疲れやすさ、ダルさなどを引き起こすことになります。
また、不足した状態が続くと血糖値が低くなりすぎて吐き気、震え、動悸、ふらつきなどの「低血糖発作」が生じることも。
特に脳は糖質をエネルギー源としているため、糖質を制限しすぎると意識障害を引き起こすこともあります。
糖質制限ダイエットは効果的に体重と脂肪を落とすことができますが、やり方を間違えると健康を害することもあるため注意してください。
健康を害することなく効果的な糖質制限ダイエットをするには、どのような食品を摂ればいいのでしょうか。
お米、パン、麺類など私たちの主食となる食品の主な栄養素は炭水化物です。
そのため、糖質制限中は穀類などの主食は控える方も多いでしょう。
しかし、主食を抜かした食事は満足感がなく、ダイエットが長続きしないという方も少なくないはずです。
確かに穀類には多くの糖質が含まれていますが、そばやそうめんなど甘みが少なめの食品は糖質の含有量も少ないため、糖質制限ダイエット中にもおすすめです。
逆に、パンやお米、コーフレークなど甘みがある食品は、血糖値を上げやすく糖質も多く含まれているため控えめにしましょう。
また、主食ではありませんが、穀類に分類される「おふ」も糖質が少ない食品の一つです。
スープなどに入れると満足感がある一品になるので、主食を我慢する日はおふ入りのお味噌汁などを代用するのもおすすめです。
私たちの食卓に欠かせない豆類も、思いのほか多くの糖質を含む食品があります。
具体的には、あずぎ、黒豆、きな粉、ひよこ豆、大豆など甘みのあるものが挙げられます。
一方、大豆を加工して作られた豆腐や納豆、油揚げなどの食品はほとんど糖質を含みません。
調理方法によっては満足感のある主菜を作ることもできますので、糖質制限ダイエット中におすすめです。
いも類も食品によって糖質の含有量は異なります。
さつまいもやじゃがいもなどは多くの糖質を含みますが、さといもや長いもは比較的糖質は少なめです。
また、いも類のデンプンから作られる製品の中では、くずきりやはるさめよりも、こんにゃくの方が断然糖質含有量は少ないです。
くずきりやはるさめはカロリーが低いためダイエット中に重宝される食材ですが、糖質制限ダイエット中はこんにゃくを選ぶようにしましょう。
野菜類は基本的に糖質の含有量が少ないのが特徴です。
ただ、食品によって含有量に差があり、かぼちゃ、とうもろこし、ゆりね、れんこん、玉ねぎ、にんじん、白菜、トマトなどは糖質量がやや多め。
一方、春菊、大葉、ホウレンソウ、サラダ菜、レタス、ルッコラ、アスパラガス、さやいんげんなどは糖質量が少なめです。
野菜は基本的に糖質を気にすることなく摂取して問題ありませんが、主食などで多くの糖質を摂ったときは特に含有量の少ない野菜を選ぶようにしましょう。
甘い果物は多くの糖質を含む食品も少なくありません。
柿、なし、マンゴー、りんごなどは特に糖質を多く含むので食べ過ぎには要注意です。
果物の中でも、いちご、いちじく、さくらんぼ、キウイフルーツ、びわ、ブルーベリー、ライチ、ラズベリーなどは糖質が少なくおすすめです。
きのこや海藻類はカロリーが低いためダイエットの強い味方と言える食品です。
また、糖質の含有量も少ないため、糖質制限ダイエット中に積極的に取り入れたい食品と言えます。
食品によって含有量に多少の差はありますが、どれも少量の糖質しか含みませんので種類を気にせず、好みの食品を選ぶと良いでしょう。
魚介類も基本的には糖分含有量が少ない食材ばかりです。
ただし、かば焼きなど砂糖を使用する調理法のお惣菜は糖分が多めになります。
糖質をしっかり制限したいときは、刺身や焼き魚などシンプルな調理法で摂取しましょう。
また、魚介類の練り物であるかまぼこ、はんぺん、さつま揚げなどは小麦粉などを使用しているため、糖分は多くなるので注意が必要です。
肉類も糖質の含有量は少ない食品がほとんどです。
最も含有量が多いとされている牛レバーでも、100gあたりの含有量は3.7gほど。
基本的には食品の種類を気にせずに好きなものを摂取して良いでしょう。
ただし、肉類は脂質も多くカロリーも高めです。
糖質が少ないからといって肉類ばかりに偏ってしまうと、かえって太ってしまうこともあるので、ダイエット中はほどほどに控えることをおすすめします。
乳製品は、食品によって糖質含有量が大きく異なります。
牛乳やバニラアイスなどは糖質が多めに含まれますが、チーズやヨーグルトの糖質は少なめ。
特にチーズの含有量が少ないため、糖質制限ダイエット中のおやつや軽食におすすめです。
菓子類は多くの砂糖が使用されているため、含まれる糖質は多めです。
特にどら焼きや団子、羊羹など甘い和菓子、ケーキ、チョコレートなどは多くの糖質が含まれるので、糖質制限ダイエット中は控えた方が良いでしょう。
一方、せんべい、ウエハース、ボーロなどの糖質含有量は比較的少なめです。
ダイエット中でもおやつは楽しみたいという方は、これらの食品を選ぶようにしましょう。
ナッツ類は基本的に糖質含有量が少なめです。
カロリーが高めの食品もありますが、腹持ちも良いため、糖質制限ダイエット中のおやつにおすすめです。
一方で、栗や銀杏などは糖質が多めなので、摂りすぎには注意しましょう。
アルコールもビールや梅酒などは糖質含有量が比較的多めです。
一方、ウイスキー、ブランデー、焼酎などは糖質をほとんど含みません。
アルコール度数が高いものは苦手…という方は、糖質が含まれていない炭酸水などで割って飲むのがおすすめです。
調味料も種類によっては多くの糖質を含むことがあるため、調理方法には注意が必要です。
特に糖質が多い調味料は、砂糖、ソース、みりん、すし酢が挙げられます。
また、煮物などにはちみつや水あめを使用するケースもありますが、これらは砂糖よりもっと糖質含有量が多いので注意しましょう。
糖質の少ない食品を選んでも使用する調味料の糖質が多いと、結果的に糖質の摂取量が多くなってしまいます。
糖質制限ダイエット中は、できるだけ上記の調味料は少なめにするのがポイントです。
糖質制限ダイエット中でも注意することなく摂ることができる食品は多くあります。
では、それらの食材を使ってどのようなことに注意してメニューを決めていけば良いのか詳しく見てみましょう。
糖質制限ダイエット中は糖質が多く含まれる主食を少なめにして、おかずで満足できるようなメニューにすることが大切です。
もちろん、おかずに使用する食品も糖質が少なめのものを選びます。
そして、調味料も上述したような糖質が多いのものはできるだけ少なめにしましょう。
糖質が少ない食品として野菜全般が挙げられます。
野菜はカロリーも低いためダイエット中に好まれる食品ですが、野菜ばかりを取り入れるのも実はNG。
そうというのも、食事制限によるダイエット中は脂肪や体重と共に筋肉も落ちやすいため、筋肉の元となるタンパク質をしっかり摂ることが大切だからです。
タンパク質は肉類、魚介類、大豆製品に多く含まれます。
カロリーの低さは野菜に劣りますが、これらの食品もしっかり摂るようにしましょう。
糖質を控えつつ、たんぱく質、ミネラル、ビタミンなど身体に必要な栄養素をしっかり摂れるようなレシピを考えましょう。
具体的には、次のような食事メニューがおすすめです。
十分満足感がある食事メニューですが、一日の糖質摂取量は50g程度に抑えることができます。
小腹が空いたときは、チーズやナッツなど糖質が少ないおやつを摂るようにしましょう。
コンビニやスーパーで気軽に購入できる、糖質制限ダイエット中のおすすめ食材をご紹介します。
一番のおすすめ食材は、何といってもサラダチキンです。
鶏むね肉をスチームして味付けしたサラダチキンは、糖質制限ダイエット中に嬉しい「低カロリー・低脂質・高タンパク質」の三拍子が揃っています。
調理次第では豪華な主菜にもなりますので、ぜひ活用してみてください。
その他にも、低脂質かつ低カロリーの食材で簡単に調理できるメニューといえば、さしみこんにゃく、冷ややっこ、焼き魚、煮豚など。
手軽なお惣菜やレトルトパックも販売されていますので、料理をする余裕がないときは、便利な商品に頼りながら糖質制限を続けていきましょう。
糖質制限ダイエットは正しい方法で行えば、健康を損ねることなく効果的に体重と脂肪を落とすことができます。
過度な運動も必要ありませんので、忙しい方にもおすすめのダイエット法です。
本記事でご紹介した糖質制限ダイエット中におすすめの食品と控えた方が良い食品を参考に、ぜひ糖質制限に挑戦してみてください。
執筆・監修:医師 成田 亜希子(なりた あきこ)
2011年に医師免許を取得。
日本内科学会、日本公衆衛生学会、日本感染症学会、日本健康教育学会所属。
初期臨床研修修了後は、一般内科医として幅広い分野の疾患の治療に従事している。
行政機関への勤務経験もあり、健康増進や感染症対策、母子保健などの政策に医師という立場で携わっていた。
プライベートでは二児の母。
趣味は乗馬、旅行、料理。
最終更新日 : 2021/06/08
公開日 : 2021/06/08