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高級素材として有名なカシミヤ(カシミア)。
原料は「カシミヤヤギ」というヤギから採られる絨毛繊維で、カシミヤの名前自体はインド北部の「カシミール地方」(Kashmir)の古い綴りが由来と言われています。
元々の毛の種類はグレー、ホワイト、ブラウンが主流で、特にホワイトカシミヤは染色しやすいため一番需要がある種類です。
主な原産地は下記が挙げられます。
どの地域も夏は猛暑・冬は極寒。
これらの地域で生き延びるため、気温の急激な変化にも耐えられる毛を持っているのもカシミヤヤギの特徴です。
ちなみに、マフラーやセーターとして加工されるのは、カシミヤヤギのやわらかな産毛部分。
一着のセーターを作る場合は1頭〜3頭、コートとなると7頭ほどのカシミア毛が必要となります。
希少なカシミヤから採れるわずかな毛を使ったアイテムとなるので、高級素材としてもてはやされるのはもはや当然と言えるでしょう。
結論からいうと、カシミヤとパシュミナは生地の厚みから光沢まで全く異なる生地です。
カシミヤは生地名ですが、パシュミナは生地名およびストールの名前としても活用されているのが大きな違いです。
カシミヤ生地のアイテムは、基本的にカシミヤ生地をフェルトのように加工しているものが大半。
パシュミナはカシミヤ繊維にシルク繊維を混ぜて織り上げた、光沢が強い生地感と薄さも特徴です。
そのため、カシミヤ生地とパシュミナ生地は大きく異なった素材と言えるでしょう。
ここからは、カシミヤの持つ特徴をご紹介します。
カシミヤは、他の天然繊維と比較してダントツで細いのが特徴。
そのため、1本の糸を作るのに何本ものカシミヤ繊維を束ねて作る必要があります。
より多くのカシミヤ繊維を束ねることで、糸自体の強度がアップするのはもちろん、暖かさもアップします。
さらに、カシミヤの繊維には「外気を遮断して放熱されるのを防ぐ」といった特徴もあります。
特に熱伝導が低い空気を取り入れて外に逃さないため、保温性は抜群です。
保温性だけでなく、保湿性が高いのもカシミヤならではのメリット。
カシミヤ繊維の表面には髪の毛のようにキューティクルが張り巡らされており、ここから空気中の湿気の吸収と放出がされています。
この働きが、カシミヤ製品の軽く暖かい機能を支えているのです。
カシミヤ繊維はとても繊細で柔らかいのも大きな特徴。
そのため、他の生地よりも肌に当たった時の刺激が少ないです。
どうしてもタートルネックセーターを着たりストールを巻いたりすると首がちくちくして痒くなるという方は、ちょっと奮発してカシミヤの製品に買い換えてみてはいかがでしょうか。
先ほど、カシミヤ繊維の表面がキューティクル構造になっていることをご紹介しました。
このキューティクルはうろこ状のように張り巡らされており、突起が少ないことが確認されています。
表面の突起が少ないため、生地表面に凹凸が少なく見えるのが特徴です。
さらに、カシミヤに含まれる油脂のおかげもあり、表面がツヤツヤに見えます。
これらの特性から、受けた光をそのまま反射するため、美しいツヤ感・光沢が楽しめるのです。
カシミヤ繊維は保温性や保湿性だけでなく、弾力性や柔軟性にも優れている繊維。
ほかの繊維に比べてなんと40%以上もの伸縮率があり、ちょっとやそっとでは形崩れは起こりません。
また、先述したようにいくつもの繊維を組み合わせて一本の糸を作っていることから、糸そのものが丈夫です。
こうした特徴からも、カシミヤ=型崩れしにくい素材と言われています。
デメリットとなるポイントですが、カシミヤは極細の繊維で作られた天然繊維のため、非常に毛玉が発生しやすい生地として有名です。
繊維自体は丈夫なのですが、生地となると虫害や毛玉ができやすいなど、デリケートな素材でもあります。
デリケートな素材であっても、普段のお手入れが上手にできれば、何年もきれいに使うことができますよ♪
ここでは、どんなお手入れをするとカシミヤ製品が長持ちするのかをご紹介します。
特に、カシミヤの衣類となると汗や汚れが付着しやすいです。
汗や汚れは放置していると虫がつきやすくなる、シミになりやすくなる、色落ちしやすくなるなど、トラブルが多くなるのがつきもの。
その日に着用したカシミヤ製品で汗や気になる汚れがある場合は、その日のうちに取り除いておきましょう。
カシミヤは水分に弱いため、ちょっとした汗染みや汚れは、その日のうちにちょこっとタオルで落としておくと品質が長持ちしますよ。
コートやジャケットの場合は、ネック部分に直接肌が接触しないよう、タートルネックを着用した上でジャケットを着用するのも汚れ防止対策として有効です。
乾かす際は、シワを防ぐためハンガーに掛けず、バスタオルの上などに広げて乾かしておくのがおすすめです。
どんな生地のアイテムも、毎日使うとさすがによれよれになりやすくなりますよね。
1日使ったら、次に使うのは数日後など、毎日使うのはなるべく控えておくと良いでしょう。
どんなに大切に使っていたとしても、虫食いで台無しに…という残念な経験をしたことがある方も少なくないのではないでしょうか。
虫の被害からカシミヤを守るためには、クローゼットなどのオープンスペース収納ではなく、チェストなどの引き出しや衣装ケースを使った密閉収納がおすすめ。
防虫剤もセットで収納できたらばっちりです♪
収納時のポイントは、他の衣類でいっぱいになった引き出しに入れないこと。
どんなに弾力性に富んだカシミヤ素材のアイテムでも、衣類でいっぱいになった場所に詰め込むとシワになってしまいます。
また、防虫剤はカシミヤの上に置くようにしましょう。
防虫剤の成分は空気よりも重めなので、引き出しの底に置くよりは上部に置いておく方が効き目が強くなりますよ。
オフシーズンなど、カシミヤを当分使わないタイミングが出たら、一度クリーニングに出しておきましょう。
きれいな状態を保つことで、カビや虫害、汚れの定着を防ぐことができます。
着用後は、繊維が摩擦で乱れていたり毛羽立っていたりすることが多いのがカシミヤのデメリット。
特に乾燥や静電気が起こりやすい冬場はほこりを集めてしまいがちです。
品質低下を避けるためにも、そしてずっときれいなまま長持ちさせるためにも、着用したら一日の終わりにブラッシングをして表面を整えておきましょう。
おすすめのブラシ素材は豚毛や馬毛などの天然獣毛でできたもの。
プラスチックなどの合成繊維でできたブラシだと、天然獣毛よりも硬いことが多いので、生地が傷んでしまうことがあります。
ちなみに、ブラッシングをすることで、カシミヤ独自のツヤ感がキープできます。
汚れが落ちるだけでなく、毛並みを整えて美しい質感を整えることができるほか、ふわふわの肌触りも長期間楽しめるようになりますよ♪
できた毛玉は毛玉カッターなどでササッとカットしておきたいところですが、カシミヤ生地の場合はハサミでカットする方法がおすすめ。
あまり毛玉カッターをかけすぎると生地が薄くなり、せっかくのカシミアのリッチな質感が損なわれてしまうこともあります。
できた毛玉は引っ張らず、はさみでやさしくカットして上質な質感をキープさせましょう。
カシミヤは水に弱いことを少しお伝えしましたが、一度も水洗いせずにカシミヤ製品をキープするのはなかなか難しいですよね。
ここでは、カシミヤの洗い方をご紹介します。
カシミヤ製品は、通常生地が完成したときに一度洗ってあるため、他の洗濯物と一緒に洗濯しない限り水洗いにはそこまで弱くはありません。
しかし、冷水で洗うとなると話は別です。
冷水で洗濯すると生地が伸びやすくなってしまい、品質の低下に直結してしまいます。
洗濯したい場合は、なるべく30度ほどのぬるま湯で手洗いしておきましょう。
洗剤はウール専用洗剤(おしゃれ着洗剤)で洗うのがおすすめです。
仕上げに柔軟剤を使うと、カシミヤの柔らかさがキープできますよ♪
30度で洗うのは良いのですが、すすぎは冷水でというのはNG。
30度で洗ってもすすぎが冷水となると、急激な温度変化で生地が縮んだり伸びたりしてしまいます。
最初から最後までぬるま湯で洗いすすぎましょう。
洗ったカシミヤ製品を干す場合は、ハンガーは使わず平干しで干すのが基本。
特に、セーターやカーディガンとなると、製品自体の重みで変形してしまうことがあるためです。
ネットやタオルの上などに広げて干し、形を守りながら干しましょう。
干す場所は、直射日光が当たらない、風通しが良いところがおすすめです。
一度、ここまでのステップを順を追ってご説明します。
<カシミヤ製品の詳細な手洗い手順>
<手洗いのポイント>
普段のお手入れの次は、カシミヤが汚れたときのイレギュラー対応についてご紹介します。
タートルネックのセーターやストールは、どうしてもファンデーションや口紅汚れがついてしまうことが多いアイテムですよね。
もしお手持ちのカシミヤアイテムにファンデーションや口紅といった油性の汚れがついてしまった場合は「ベンジン」を使って落とすのがおすすめ。
<ベンジンを使った汚れの落とし方>
<ベンジンを使った汚れ落としの注意点>
外出中に突然の雨に遭遇してしまい、カシミヤアイテムがじっとり濡れてしまったということもあると思います。
そんな時は、無理に洗ったりドライヤーで乾かすのではなく、下記のような方法を取るのがおすすめ。
無理にドライヤーで乾かすと、生地自体が硬化してしまい、せっかくの手触りが台無しになることがあります。
自然乾燥で乾かしましょう。
独特の光沢と上質な質感が魅力のカシミヤは、いつものコーデをクラスアップさせるのに最適のアイテムです。
また、カシミヤを使った生地のアイテムは、流行り廃りのないシンプルデザインのものが多いのも特徴。
ただし、シンプルで使い勝手が良いとはいえ「カシミアのコーデは、いつもシンプルすぎるコーデになりそうだな…」と不安になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここからは、シンプルなカシミアアイテムを使った、おしゃれで素敵なコーデをご紹介します。
起毛感があまりなく、すっきりと着こなせるカシミヤセーターは、Iラインのスカートと相性抜群。
全体的にIラインのシルエットが活かせるため、着痩せ効果も高いですね。
全体を冬素材でコーディネートするのも良いですが、重たさも気になるところ。
上半身にファーとカシミヤといったボリューム系アイテムを持ってきているため、こちらのコーデのようにレースベースのスカートを持ってきて重たさ調整ができているのがポイントです。
トップスとボトムスでボリュームが異なったものを活用して、コーデ全体をスマート見せできるとおしゃれ上級者になります。
またカシミヤを使ったトップスはシンプルなアイテムが多いため、ボトムスに個性的なシルエットのものを合わせやすくなるのもカシミヤコーデの大きなメリットです。
フレアのパターンスカートも、カシミヤの上質な質感をさらにエレガントに格上げしてくれるアイテムです。
カシミヤのトップスと小物のカラーをブラックで統一することで、カシミヤの美しさがさらに強調されていますね。
トップスとボトムスのカラーをダークトーンでまとめ、コートとバッグにアクセントをおいた上級者コーデ。
通常、トップスとボトムスをネイビーとブラックで合わせるのはなかなか難しいのですが、こちらはカシミヤセーターとボトムスの質感がほぼ同じで全く違和感がありません。
ネイビーとブラックをトップスとボトムスで組み合わせて楽しむ際は、質感や全体のカラーバランスを見て合わせると良いでしょう。
カシミヤの上質な質感をあえてワークライクなパンツに合わせた外しコーデ。
パンプスを合わせることでクラシカルな印象に仕上がっていますね。
春先にも使えそうなカラーリングですが、ブラックなどのダークカラー一辺倒になりがちな秋冬シーズンにもぜひ取り入れてみたいカラーリングです。
先ほどのコーデと同じようなカーキパンツでも、バッグやシューズにクラス感のあるものを取り入れれば、海外セレブ風のコーデに大変身!
腕と足首をロールアップすることでこなれ感も漂っていますね。
カシミヤニットはタックインしておくと、リラックスシルエットのパンツスタイルでも脚長効果が得られます。
先ほどのコーデと同じようなカジュアルな明るめデニムでも、ハイウエストのものを合わせてカシミアニットをタックインさせれば、カラーコントラストがよりはっきりした脚長コーデに♪
デニムなどのカジュアルなボトムスを使うと、カシミヤ独特のツヤ感とハリのあるニット生地の上質さもさらに引き立っているよう感じられます。
デニムのカジュアルさとは打って変わって、高級感のあるレザーバッグを取り入れることで、きれいめカジュアルコーデに仕上がっています。
オーバーサイズめのワイドパンツにカシミアニットをON。
ベルトがわりにエルメスのスカーフを使った上級者コーデですが、カシミアの質感がエルメスのスカーフに負けていないほど存在感が強いです。
カシミヤニットは比較的薄めのものが多いのですが、この薄さを生かしてジャケットのインナーとして活用することも可能です。
タックインしてすっきり見せさせておけば、ジャケットシルエットもより美しく映えます。
カシミヤ製品の中で最も人気が高いアイテムの一つであるストールを使ったコーデをご紹介します。
定番の使い方は、こちらのようにストールをカーディガンのようにして使う方法。
大判ストールがあれば、ちょっとしたアウターとしても使えてとても便利ですよ。
特にツヤ感が際立つディープカラーなら、いつものカジュアルコーデもよりリッチに見えます♪
秋冬シーズンだけでなく、春先にも使えるような薄手のカシミヤストールも人気。
こちらのようにちょっと肩からかけておけば、夏に悩まされるクーラーの冷えからも体を守ってくれますよ。
リラックス感のあるシルエットのコーデだとカジュアル感が全面に出やすいですが、上質で軽やかな質感の春夏ストールがあれば、どんな装いにもクラス感を与えてくれることでしょう。
トップとボトムスのカラーを統一しておくと、上から羽織るストールのカラーがとても際立ちますね。
ベーシックなグラフチェック(ラインチェック)のストールもコーデを選ばず使えるアイテムです。
羽織る使い方にも、首元に一周させてみたり、結び目を作ってみても印象が変わりますよ。
インパクト大きめのチェックも、無地アイテムとのコンビネーションがより楽しめるアイテムです。
こちらのように、カラーが複数使われているものなら、ストールがコーデの主役級アイテムに♪
何気なく肩から掛けていてもサマになるので、普段無地アイテムを取り入れることが多い方や、インパクトのあるものをお探しの方には特におすすめです。
パキっとしたカラーリングが目を引くクラシックなタータンチェック柄ストールは、手に持つだけでコーデが華やぎますね。
こちらのコーデの場合、トップスのグリーンと正反対のカラーのため、さらにストールが際立って見える仕上がりに。
インパクトのあるコーディネートも良いですが、こちらのように全体のカラーに寄せた無地ストールを合わせるのも素敵。
全体の統一感がアップするだけでなく、フォーマルな場にも合わせやすくなります。
余計な装飾や色遊びよりも、統一感を重視する方におすすめの合わせ方です。
今回はカシミヤ生地の魅力やお手入れ方法、素敵なコーデ集をご紹介しました。
カシミヤは上質な手触りとツヤ感、最高のぬくもりをくれる生地。
お手入れは初めのうちはやや大変かもしれませんが、手をかければかけるほど長持ちし、暖かさも持続します。
カシミヤ生地をお手入れして育てながら、上品なコーディネートを考えてみるのも楽しいですよ。
カシミヤを使ったコーデが楽しくなれば、毎年秋冬シーズンの到来がさらに楽しみになるかもしれませんね♪
最終更新日 : 2021/06/25
公開日 : 2019/10/07