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粉状の石を原料にした「石粉粘土(せきふんねんど)」。
「石塑粘土(せきそねんど)」とも呼ばれています。
乾燥させると石膏や素焼きの陶器のような質感になるのが特徴。
塗料とレジン・ニスで仕上げると、釉薬(ゆうやく)をかけたような質感も表現できる粘土です。
扱いやすい上に作品の幅が広く、近年人気を集めているハンドメイド素材の1つです。
石粉粘土と似た素材に「石膏」があります。
乾燥した後の見た目、色から「同じ成分なのでは?」と思うかもしれませんが、異なる素材です。
石膏は硫酸カルシウムと水を主成分とした鉱物です。
一般的に出回っている粉状のものは、焼石膏と呼ばれるもの。
水を加えて型に流し入れて成形します。
一方、石粉粘土は固形で自由に形作れる素材です。
タルク、炭酸カルシウムなどの無機粉体、パルプが含まれており、石膏とは少し成分が異なります。
石膏は重さがありますが、石粉粘土は軽く仕上がるのも大きな違いです。
石粉粘土は、乾燥後の加工しやすさが魅力の1つ。
もともと扱いやすい素材ですが、特徴を知るともっと使いやすくなりますよ。
石粉粘土は、乾燥後、やすりで削ることができます。
凸凹を滑らかにしたり、厚みを調整したり、上手く形が作れなくても修正が簡単です。
また、彫刻刀で彫ることもできます。
細かい模様を表現するのにもぴったりの素材なんです。
成形するときに欠けてしまった、乾燥後に削りすぎてしまったなど、上手くいかないこともあるかもしれません。
しかし、石粉粘土は接着材を使うことなく、後から粘土を付け足すことができます。
万が一失敗してもリカバリーができるので、気軽に手作りを楽しめます。
成形するときに、アクリル絵の具を混ぜ込んで着色ができます。
乾燥すると少し色が薄くなるので、イメージより濃いめに着色するのがコツ。
乾燥後は、絵の具、色鉛筆、クレヨン等でも着色可能です。
粘土によっては混ぜ込んで着色できないものもあるため、商品の使用方法も参考にしてください。
石粉粘土は、石膏に比べると軽く仕上がるのも特徴です。
乾燥後は、マットでなめらかな質感。
ヤスリで削って仕上げると、よりすべすべになりますよ。
アクセサリーやコースターなど、工夫次第で様々なものを作ることができます。
石粉粘土は手芸店、大型バラエティショップ、100均、Amazon等で購入することができます。
きめ細かさ、扱いやすさを重視するなら、手芸店やバラエティショップでの購入がおすすめです。
石粉粘土にはたくさんの種類があり、軽さや収縮率、色味、乾燥時間などそれぞれ特色があります。
使い方をよく見て選んでください。
ほとんどのものは家にあるもので代用可能ですが、ここでは揃えておくと便利な道具をご紹介します。
ホームセンター、手芸店、大手バラエティショップ、100均などで手に入れられますよ。
最初はなくても大丈夫ですが、慣れてきたらぜひ揃えてみてください。
作品のクオリティもアップすることでしょう。
テーブルにラップを敷いて代用できますが、ラップだとズレてしまうこともあります。
頻繁に製作する場合は、粘土板が1つあると重宝します。
模様をつけたいとき、細かい部分を作りたいときに便利です。
着色したい場合に使います。
アクリル絵の具は、乾燥前・乾燥後どちらでも使用可能ですが、色鉛筆やクレヨンは乾燥後にしか使えないので注意してください。
表面をなめらかな仕上がりにしたいときに必要です。
乾燥後にヤスリで削ります。
ニス・レジンは、釉薬をかけたツヤツヤの陶器の質感を表現したいときに使用します。
ニスは塗って乾かすだけでOK。
2度塗りするとツヤ感がアップして、より陶器のような表情になります。
また、ニスは防水性の面でも使うことの多いアイテムです。
石粉粘土の扱いに慣れてきて、もっと本格的に作りたいと思っている人はレジンもおすすめ。
アクセサリー作りではよく使われる液状の樹脂素材です。
UVライトで固めると、ツヤ感が出てぷっくりかわいらしい仕上がりになります。
※合わせて読みたい: 【初心者必見】100均の素材で作れる!簡単で可愛いレジンアクセサリーの作り方
形を綺麗に仕上げたいときに便利な型。
手では作れない難しい形も、型があればあっという間に出来上がります。
シリコン素材の型を選べば、型から外すのも簡単。
写真のようにあらかじめ穴が空いているものを選ぶと、後から穴を開ける手間もなく綺麗な仕上がりになります。
作るものによって変わってきますが、アクセサリーを作るときにはチェーンやピアスの金具が必要になります。
金属アレルギーがある方は、アレルギーが起きにくいチタン製のものやプラスチック素材を選ぶと安心です。
吊り下げ式のアロマストーンを作るなら、吊り下げ用のリボンや紐が必要になります。
パーツ1つで作品の雰囲気が変わるので、慎重に選びたいところです。
余った粘土の保存には少し注意が必要です。
石粉粘土は、一度乾燥してしまうと使えなくなってしまいます。
そのため、粘土を保存するには、密閉して乾燥を防ぐのがポイント。
余った粘土はラップに包んで、さらにジップロックに入れておきます。
取り扱いが簡単とはいえ、石粉粘土でどんなものが作れるのかわからない…
そんな人のために、初心者さんでも簡単に作れる作品をご紹介します。
アロマオイルを垂らして香りを楽しむアロマストーンは、素焼きや石膏からできています。
乾燥後の石粉粘土は水分や油分を吸収するので、アロマストーンとして使うことができるのです。
市販のものはシンプルな形のものが多いですが、手作りなら石のような形、プレート状の形の吊り下げ型など、形は自由自在。
インテリアに合わせて好きな形で作ることができますよ。
陶器風のブローチやピアスも作ることができます。
これはモールドで型を取って固めたあと、着色とピアスのパーツを取り付けています。
ニスやレジンを塗ってツヤツヤにすれば、より陶器風の質感に近付きます。
乾燥させたままの状態だと、素焼きやセメントのような表情を見せてくれます。
ピアスやネックレスの場合、重さが負担に感じることもありますよね。
石粉粘土なら陶器や石膏よりも軽く仕上がるので、軽いつけ心地のアクセサリーになりますよ。
平らに伸ばして形を整えれば、コースターにもなります。
石粉粘土は乾燥後も水分を吸い込む性質があるため、防水性を高めるためにニスやレジンを塗っておくと◎
100均で手に入る小さなタイルを埋め込んで作るのもおすすめ。
レトロかわいいデザインになりますよ。
小さなキャンドルを包み込むような形に成形すれば、キャンドルホルダーも作れます。
色をつけなくても、おしゃれな雰囲気に。
石のような形に成形して、穴を開ければお香立てもできます。
石粉粘土は燃えないそうですが、焦げつく可能性はあります。
使用中は目を離さないようにしてくださいね。
簡単に作れるアロマストーンは、石粉粘土を初めて使う人にもチャレンジしやすいアイテムです。
ここでは、アロマストーンの作り方をご紹介します。
1. 粘土をパッケージから取り出し、こねる
粘土板やラップを机に敷いて、粘土をパッケージから取り出します。
まずはこねて、成形しやすい状態にします。
固すぎると感じる場合は、水を少々足してください。
2. アクリル絵の具を混ぜ込む
色を付けるときは、ここでアクリル絵の具を混ぜ込みます。
乾くと色が白っぽくなるので、少し濃いめに色をつけておくと良いでしょう。
細かい部分に色をつけたいときは、乾燥後に色を塗る方が簡単なので、この手順は飛ばして大丈夫です。
3. 作りたい形に成形する
今回は小石の形に丸めて成形します。
円や細かい形をつくりたいときは、モールド型やクッキーの型を使うときれいな仕上がりになりますよ。
乾燥後は約3.5〜6%ほど縮むことも考慮して、大きさを決めてくださいね。
成形したときにひび割れができてしまったら、ひび割れたところに少々の水をつけて、優しく撫でて表面を整えておきましょう。
乾燥時間は約3〜4日です。
表側が乾いていても、裏側は乾いていないことがあるので、途中でひっくり返してまんべんなく乾かしてくださいね。
2日ほどで表面は乾きますが、内側はまだ柔らかく割れてしまうこともあります。
表面が乾いてもすぐには動かさず、乾燥時間を守るのがきれいに仕上げるコツです。
凸凹が気になる場合や、よりなめらかに仕上げたい場合は、やすりがけをしましょう。
しっかりやすりがけをすると、つるつるの石のような質感になります。
アクリル絵の具以外の画材を使って色付けするときは、この段階で塗ってください。
アロマストーンの場合は、ニスやレジンを塗ってしまうと、アロマオイルを吸収しなくなってしまいます。
そのため、ニスやレジンを塗らないようにしてください。
他のものを作るときは、仕上げのときにニスやレジンを塗ります。
ここまで終わったら完成です。
お皿に乗せて、アロマオイルを垂らして香りを楽しみましょう。
香りの広がる範囲が狭いので、オフィスや自宅の机、玄関などに置くのがおすすめです。
※アロマストーンの関連記事: アロマストーンでおしゃれに香りを楽しもう!人気のアロマオイルも紹介
気軽に手作りを楽しめる石粉粘土。
失敗しても付け足したり削ったりすることができるので、手作り初心者さんにもおすすめの素材です。
今回ご紹介したアロマストーン、アクセサリー、コースターなど用途が広いのも魅力。
アイデア次第で、色々な使い方ができますよ。
石粉粘土で、身近なものを作って楽しんでみてください。
最終更新日 : 2021/11/08
公開日 : 2021/11/08