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「グリーンカーテン」は、「緑のカーテン」や「エコカーテン」とも呼ばることもあります。
つる性の植物で窓や外壁を覆い、カーテンのように夏の日差しを遮るというもの。
植物の緑色は、見た目にも涼しさを感じさせてくれます。
一般家庭だけではなく、公共施設や学校でもよく見かけますよね。
グリーンカーテンには強い日差しを和らげる遮光効果だけでなく、室温の上昇を抑える冷却効果があります。
植物から蒸散される水分が周囲の温度を下げるため、グリーンカーテンを通り抜ける風も冷やされ、快適な室温を保つことができるのです。
グリーンカーテンがあれば夏場でもエアコンの使用を抑えられ、節電・省エネにもつながります。
電気代が節約できる上に、CO2対策ができて環境にも優しいですね。
また、咲いた花を愛でる楽しみや、実が成る野菜を食べる楽しみも生まれます。
普段ガーデニングをしないという人も、植物を育てる楽しさに目覚めるかもしれません。
グリーンカーテンといえばゴーヤや朝顔が代表的ですが、ほかにもグリーンカーテンづくりに適した植物は色々あります。
グリーンカーテンに向いている植物として、基本的には「つる性」であり、暑さに強いことが前提。
その中でも、植物の特性によって以下の3つのタイプから選んでみてください。
野菜や果物の場合、実が成りすぎて食べきれないことも…
ご近所さんや友人に配るのも良いですが、そんな場合には2種類の植物を一緒に植えるという手もありますよ。
綺麗な花が咲く植物と野菜が成る植物を一緒に育てたり、食べ飽きないように野菜を2種類育てたり…
ガーデニングに慣れているという人はぜひ挑戦してみてください。
グリーンカーテンにおすすめの植物をタイプ別にご紹介します。
植物を選ぶ際の参考として役立ててください。
身近な植物であり、日本に古くから根付いている「朝顔」。
実は世界中に幾多もの種類があるのですが、大きく分けて「日本朝顔」と「西洋朝顔」2つの分類があります。
奈良時代に中国から日本へ持ち込まれ、江戸時代に起きた大流行でたくさんの種類が生まれた「日本朝顔」。
小学校の夏休みの宿題で育てていたように、初心者でも簡単に育てることができます。
つるが長く伸びず、葉も密ではないため、日本朝顔だけで広い面積を覆うのにはあまり向きません。
しかし、マンションのベランダで育てるには向いています。
つるがよく伸び、育ちが良い「西洋朝顔」。
広い窓や壁を覆うグリーンカーテンに向いています。
日本朝顔は午前中でしぼんでしまいますが、西洋朝顔は夕方まで花を咲かせます。
グリーンカーテンの植物として人気なのが、琉球朝顔。
「オーシャンブルー」とも呼ばれる、沖縄県に生息する朝顔です。
青い海のような鮮やかな色から、昼には紫色に変化する花が特徴。
成長が早くてつるが長く伸び、葉も大きくよく繁ります。
大きいものでは10m以上の高さになることもあります。
生命力が強く、一般的な朝顔が一年草なのに対して琉球朝顔は多年草。
一度植えると長い年月楽しむことができます。
花の美しさを楽しむなら、「トケイソウ」もおすすめ。
つる性の多年草で、個性的な花の形が魅力です。
名前の通り、大きな針がついた時計の文字盤のような形をしています。
南米原産の熱帯植物ですが、日本では暖かい場所であれば冬を越すことができます。
寒さに強い種類と弱い種類があるため、選ぶ際にチェックしてみてください。
「パッションフルーツ」もトケイソウの仲間のひとつで、トケイソウにも花が咲くだけでなく果物が成る品種もあります。
グリーンカーテンの定番である「ゴーヤ」。
「ニガウリ」や「ツルレイシ」とも呼ばれる沖縄の夏野菜です。
病害虫が発生しづらく、プランターでも簡単に育てられるので初心者向き。
ただ、次の年も同じプランターでゴーヤを育てるときには、土を交換することが必要。
これは、生育不良となる「連作障害」を防ぐためです。
ゴーヤの葉にはカエデのような切れ込みがあり、葉の色も明るめ。
そのおかげで、室内を暗くしすぎず日光を優しく和らげてくれます。
最盛期にはたくさんの実をつけるゴーヤ。
実には栄養がたっぷり詰まっていて、ゴーヤチャンプルーなど家庭の料理にも大活躍しますよ。
沖縄では「ナーベラー」と呼ばれる、ウリ科の植物「ヘチマ」。
丈夫でよく育ち、しっかりと日光を遮るグリーンカーテンが作れます。
日光がよく当たる場所であればすくすく育つので、初心者でも栽培は簡単。
たわしや化粧水に利用されるイメージがありますが、クセが少ない味で料理にも幅広く活用できます。
葉が大きく密で、茎も太いぶん、狭い場所でたくさん栽培すると室内が暗くなりすぎてしまうこともあります。
日光を遮りすぎないようにするには、間隔を空けて植えたり、適度に葉やつるを手入れすると良いでしょう。
パッションフルーツはトケイソウの仲間で、つる性の多年草。
花も実も楽しめるため、グリーンカーテンとして人気が高まっています。
パッションフルーツの花は、時計の文字盤のような形をした大きな花。
丸い形の果実は、芳醇な香りで甘酸っぱい味が特徴で、種まで食べることができます。
実が成る時期はよく水を吸い、水切れしやすい状態になります。
ただし、水のあげすぎも根腐れを引き起こす原因となるので、注意しながら育ててください。
家庭菜園で育てる人も多い、ウリ科の夏野菜「きゅうり」。
毎日食卓に使える汎用性の高い野菜のため、実用性を兼ね備えたグリーンカーテンとしておすすめです。
明るすぎず、暗すぎず、ほど良く日光を遮ってくれます。
きゅうりは、植え付けしてからしばらくは生育スピードがゆっくり。
実が成りはじめると、ぐんぐん成長していきます。
暑くなる時期にグリーンカーテンとなるよう栽培するなら、少し早めに植えておくと良いでしょう。
熱帯アジア原産のつる性植物「ツルムラサキ」。
夏が旬の葉物野菜で、つる先の葉や茎を収穫して食べることができます。
グリーンカーテンとしてはその他の植物ほど認知度されてませんが、夏の暑さに強く、栄養価の高い植物です。
ツルムラサキには、つるが紫色の「紫茎種(赤茎種)」と、つるが緑色の「緑茎種(青茎種)」の2種類があります。
一般的に食用としてよく流通しているのは緑茎種で、こちらの方が味が良いとされています。
観賞用として見栄えの良さを楽しみたいのであれば、紫茎種がおすすめです。
巻きひげを持ち、紙風船に似たかわいい実が特徴の「フウセンカズラ」。
夏に小さな花を咲かせた後、ほおずきのような袋状の実をつけます(実は食べられません)。
花より実を鑑賞する植物で、実が風に揺れる姿が涼しげです。
実が茶色く熟すと、中にはハート模様の丸いタネが。
タネの愛らしさから子どもにも喜ばれます。
暑さに強く、栽培の難易度も低いため、初心者にも育てやすい植物です。
生育が早いため、つるが絡まないようにネットに誘引しましょう。
「オキナワスズメウリ」は、白い縞模様の入った可愛らしい実をつけることで人気。
熱帯原産で、日本では沖縄地方に自生しています。
「琉球オモチャウリ」との別名も。
実の色は緑色から黄色へ、さらに熟すと赤色へと変わります。
実と根には毒性があるため、食べることはできません。
丈夫でよく育ち、水やりをしっかり管理していれば初心者でも栽培できる植物です。
やや葉が小さめのため、しっかり日差しを遮りたい場合には、他の植物と一緒に植える「ミックス植え」もおすすめ。
アフリカ原産で、ユニークなフォルムの実に癒される「ひょうたん」。
実には有毒成分があるため食べることはできませんが、置物や酒器などに加工することで活用されています。
古くから縁起の良い物とされ、お守りにも用いられている開運アイテムです。
めきめきと生育するため地面に直接植えられると良いですが、プランターでも問題ありません。
初心者でも育てられるのはもちろん、ゴーヤや朝顔といった定番とは少し違う植物に挑戦したい!という人にもおすすめです。
まずは作る上で揃えておくべきものをご紹介します。
好みの苗(もしくはタネ)を用意してください。
植物が育ちやすいように大きくて深さのあるものを選びましょう。
プランターの底に鉢底石を敷くと、水はけが良くなります。
初心者であれば、市販の野菜用または花用の培養土を使うと便利です。
グリーンカーテン専用の土も販売されていますよ。
植物の種類や育て方に合わせて、栄養を与えるために必要です。
植物のつるをはわせるネットは、プランターの数や幅に合わせて用意してください。
ネットのサイズに合わせて選んでください。
支柱とネットがセットで販売されている商品もあります。
設置する際の金具、ネットや支柱を固定してつるを誘引するためのビニタイやひも、スコップ、はさみ、じょうろなどのガーデニンググッズが必要となります。
プランターの底に鉢底石を敷き、肥料を混ぜた土をふんわりと入れます。
プランターに入れた土に穴を掘り、ポットの土ごと植え付けます。
倒れてしまわないよう、ネットと支柱はしっかりと固定しましょう。
ネットは少し斜めに設置すると日光がよく当たります。
つるをネットに絡めて、しっかり繁るように誘引してあげます。
また、水やりを忘れず、植物の種類に合わせた適切な管理をしましょう。
水やりは毎朝が基本。
特に、暑くなると水分が不足しがちになります。
植え付けの際に必要な肥料のほか、花が咲いて実がなる頃に追肥を与えることが必要です。
植物の種類によっては、さらに定期的に肥料が必要なものもあります。
植物の種類にもよりますが、親づる(太い茎)の先端をカットすると、子づるや孫づるが元気に成長します。
市販の植物保護液やスプレーなどで対策ができます。
はじめから虫がつきにくい植物を選びたいなら、ゴーヤやパッションフルーツがおすすめです。
なかなか植物を育てられないけれどグリーンカーテンを設置したいという場合には、人口のフェイクグリーンを使うという選択肢もあります。
フェイクのグリーンカーテンには、フェンスやバルコニー向けの「ハードネットタイプ」と、柱周りにも柔軟に設置できる「ソフトネットタイプ」に分類されます。
とにかく手軽にグリーンを取り入れたいという人や、洗濯物などが外から見えないよう目隠しに使いたいという人におすすめです。
家計にも環境にも優しいグリーンカーテン。
多年草を植えて次の年まで楽しむのも良し、一年草を植えて毎年違う植物を楽しむのも良し。
グリーンカーテンに適した植物は、ガーデニング初心者でも育てやすいのも嬉しいところ。
好みの植物を育てて、快適な夏を過ごしてみてはいかがでしょうか。
公開日 : 2020/06/09