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作物の成長促進や病害虫の予防に役立つコンパニオンプランツ(共栄作物)。
野菜やハーブなどを一緒に植えることで、味がよくなったり収穫量が増えたりという嬉しい効果があります。
食べられる植物+食べられる植物といった組み合わせでも植えることができるため、家庭菜園にもおすすめなテクニックの一つなんですよ。
上手に植え付けをすると農薬や肥料を使わなくてもよく育ち、害虫に対応した益虫がやってくるため、駆除をする必要がなくなると言われています。
ただ、コンパニオンプランツの効果は絶対ではないので、ある程度の手入れは必要です。
しかし、相性が良い植物もありますが、時には植え合わせると発育が悪くなったり、病害虫の発生と言った結果を引き起こしてしまう組み合わせもあります。
そこで今回はコンパニオンプランツの効果や例以外にも、そうしたタブーな組み合わせの植物についても紹介していきます。
コンパニオンプランツには大きく分けて3つの効果があります。
1種類の作物だけを植えていると、害虫がその匂いに引き寄せられて葉や実などを食害してしまいます。
そこでその害虫を食べてくれる益虫を引き寄せたり、害虫が嫌う匂いを出す植物を植えることで、なるべく農薬に頼ることなく作物を育てることができます。
また、植物の根には様々な微生物が生息しています。
特にネギ類の根には強い抗菌作用を持つ微生物が多いため、トマトやキュウリの病気である「立ち枯れ病」、「つる割り病」などを予防してくれます。
根に根粒菌を持つマメ科の植物は、窒素を固定してくれるため土壌を豊かにする効果があります。
根を浅く張る作物と、深く根を張る作物を同じ場所に植えると乾燥防止に役立ちます。
また、マリーゴールドや カモミール はハチやアブを引き寄せることで、近くにある植物の受粉の手助けをしてくれます。
特にマリーゴールドは線虫に対する抗虫作用が高いので、線虫被害を受けやすい作物と一緒に植えるのが効果的です。
それぞれの特性でお互いを助け合うコンパニオンプランツの代表的な効果です。
例をあげると、水を好むバジルと乾燥が好きなトマトの組み合わせなど。
こちらはバジルがトマトの余計な水分を吸収することで、トマトの味を良くしてくれます。
他にも「日光を必要とする作物」と「日陰でも育つ作物」を組み合わせることで、限られたスペースでも効率よく収穫をすることが可能です。
ただ、アレロパシーは良い効果だけではありません。
周りの植物の成長を阻害する効果をもつ植物を一緒に植えてしまうと、本命の作物の発育が悪くなってしまいます。
特にハーブ類は成長阻害のアレロパシーを出すものもあるため、植え付けの際には注意が必要です。
香りの強い植物を使うことで、害虫が目的とする作物に寄ってくるのを予防することができます。
効果が高い植物は下記があげられます。
特にハーブ類はその香りで害虫を寄せ付けないだけでなく、土壌の過剰な栄養分や水分も吸い取ってくれる優秀なコンパニオンプランツです。
しかし、ハーブ類でもラベンダーやローズマリーは成長阻害のアレロパシーを出すため、コンパニオンプランツには向いていません。
料理に使えますが、育てる場合は地植えではなく、鉢植えで少量栽培するのがおすすめです。
マメ科の植物は、根に窒素固定をしてくれる根粒菌を持つため、土壌の肥育に役立ちます。
そのため、マメ科の植物をコンパニオンプランツとして使用することで、肥料を足さなくても作物が大きく成長してくれます。
効果が高い植物は下記があげられます。
根粒菌は窒素固定の他にも、リン酸などの栄養分を吸収しやすくなる効果がありますよ。
ネギ科の植物の根には、強い抗菌作用を持つ微生物がいます。
特に土を媒介する病気に強く、スペースをあまりとらない植物が多いので、空間を最大限に活用できるコンパニオンプランツです。
効果が高い植物は下記があげられます。
ただ、強い抗菌作用を持つということは、成長阻害のアレロパシーを持つ植物でもあるということにご注意ください。
同じネギ科の植物でも、別の植物と相性が悪い場合もあります。
代表例としてイチゴはニンニクと相性が良いですが、ニラと組み合わせると成長阻害されるため、植え合わせを避けることをおすすめします。
コンパニオンプランツには様々な種類がありますが、基本的にはハーブ類やセリ、キク科、マメ科、ネギ科の植物がコンパニオンプランツとして高い効果を持ち合わせています。
もちろん全てが高い効果を持つのではなく、避けておきたい組み合わせには注意が必要です。
こちらではそうした注意すべき植物についても解説しつつ、育てやすい春夏野菜と秋冬野菜に適したコンパニオンプランツについて解説していきます。
トマトとバジルのコンパニオンプランツは、料理をする際の相性も良いことから非常におすすめの組み合わせです。
バジルがトマトの余分な水分を吸い取ってくれるため、実にぎゅっと旨味が濃縮された美味しいトマトになってくれます。
また、トマトの病気として有名なのが「立ち枯れ病」や「青枯れ病」、「萎凋病」など。
これらの病気は土壌病害なため、強い抗菌作用をもつニラやネギも一緒に植えるとなお良いです。
ちなみに、トマトと一緒に植えるのを推奨しない作物はジャガイモです。
ジャガイモは地面の中に実をつくりますが、この実がトマトの根の成長を阻害してしまいます。
かつ、同じナス科であるからか土壌に連作障害が起こりやすくなる点にも注意です。
キュウリがかかりやすい病気の一つに「つる割れ病」というカビが原因の病気があります。
こちらも土壌病害なため、抗菌作用があるネギ類がおすすめのコンパニオンプランツです。
また、キュウリは浅く広く根を張るのが特徴の作物。
そのため、近くに根を深く張るタイプの作物を植えることで、お互いに成長促進のアレロパシーが起こります。
特におすすめなのがラディッシュで、独特の香りでキュウリにつきやすい害虫であるウリハムシを寄り付きにくくしてくれますよ。
一緒に植えるのをおすすめしない作物はインゲン。
インゲンはマメ科なため土壌を豊かにしてくれる効果がありますが、「ネコブセンチュウ」などの線虫を増やしてしまうことがあります。
線虫被害が確認されている場所では、さらに被害が増大する傾向があるので、線虫対抗植物であるマリーゴールドを植えて抑制を狙うのが効果的です。
線虫は土壌消毒で根絶させるのが非常に難しい害虫で有名です。
線虫の食害が起こってしまった作物が見つかったら、その場所の土はなるべく移動しないようにして(線虫は土に生息しています)、マリーゴールドを植えてみてください。
ニンジンなどのセリ科植物は「アゲハチョウ」の幼虫の大好物です。
他の害虫に対して予防作用が高いパセリも喜んで食べてしまいます。
そんなアゲハチョウの幼虫を寄せ付けない効果があるのが枝豆です。
ちなみに、枝豆には実の汁を吸ってしまう害虫である「カメムシ」が寄り付きやすいですが、こちらもニンジンで予防することができます。
お互いにそれぞれの害虫を寄せ付けない効果があるコンパニオンプランツですので、畑にスペースがある場合は是非一緒に植えたい作物と言えます。
また、近くに植えてはいけない作物はインゲン。
キュウリと同様にネコブセンチュウによる被害を受けてしまい、可食部分にコブがついて見た目も味も悪くなります。
美味しいトウモロコシを育てるためにはたっぷりの肥料と沢山の日光が必要になります。
そのため、周りには肥料が沢山必要だったり、背が高く伸びる作物は植えないことが重要です。
これらの特性からおすすめのコンパニオンプランツはインゲン。
マメ科の特性である根粒菌によって、土壌に含まれる栄養を増やしてくれます。
リン酸などの栄養も吸収しやすくなるので、肥料食いのトウモロコシにはぴったりの作物です。
ツタをどこかに巻き付けながら成長する植物なので、トウモロコシの茎に誘導するとお互いに成長促進のアレロパシーが働きますよ。
また、トウモロコシとインゲンの組み合わせは、ほかにもトウモロコシの害虫である「アワノメイガ」が寄り付きにくくなる嬉しい効果も。
アワノメイガはトウモロコシの葉や実を食い荒らしてしまうやっかいな害虫なので、早めに対策を行うのが吉です。
ナスの害虫であるカメムシやアザミウマは、セリ科の植物の匂いを嫌います。
パセリはセリ科であると同時にハーブでもあるため、余分な水分を程よく吸ってくれて生育が良くなってくれるコンパニオンプランツです。
料理で相性が良いシソなども効果がありますよ。
ちなみに、ナスと一緒に植えるのをおすすめしない作物はトウモロコシです。
どちらも上に大きく成長する植物ですので、生育阻害のアレロパシーが働いてしまいます。
ニラなどのネギ科は、ピーマンやトマトなどのナス科の作物と相性が良いと言われています。
ナス科の植物は土壌病害が多い傾向があるため、抗菌作用があるネギ科の病気予防アレロパシーが働く最適なコンパニオンプランツです。
マメ科の植物を一緒に植えると収穫率もアップします。
ただ、こちらも同じナス科なため、一緒に植えるのをおすすめしない作物はジャガイモです。
生育が悪くなり土壌の栄養も偏るので、なるべく近くに植えないようにしてください。
日光と肥料、そして水分をたっぷり必要とするオクラにおすすめのコンパニオンプランツは2つあります。
枝豆やインゲンなどのマメ科によって栄養分を効率よく吸収しやすくなります。
そして、オクラにはアブラムシが付きやすいため、よりアブラムシが引き寄せられるバジルを近くに植え付けることでアブラムシ被害を抑えることが可能です。
注意点としては、マメ科もハーブ類も成長が非常に速いところ。
同じ時期に植え付けをしたのにオクラの苗がコンパニオンプランツに隠れてしまったということがないように、定期的な切り戻しが必要です。
同じアブラナ科であるキャベツと白菜につく害虫はほとんど同じもの。
モンシロチョウの幼虫である青虫やアブラムシ、ヨトウムシなどが葉を食害しやすいです。
そのため、匂いが強い春菊やニンジンなどのセリ科、キク科の植物と一緒に植えるのがおすすめ。
卵を産みにくるモンシロチョウや蛾が寄り付きにくくなります。
間にコンパニオンプランツを挟んでキャベツと白菜を植えるというやり方でも効果がありますよ。
しかし、同じアブラナ科なので、ある程度離れた場所で育てた方が大きく育ちやすいです。
ブロッコリーもキャベツ、白菜とおなじくアブラナ科の作物。
秋冬に作ることができる作物は、寒さに強いアブラナ科の植物が多いです。
害虫もほぼ同じなため、匂いの強いコンパニオンプランツと一緒に植えるのがベストですよ。
また、排水性が悪いと病気にかかりやすくなってしまう点にも注意してください。
そうした土壌病害を防ぐためにも、ネギ科のコンパニオンプランツとの植え合わせもおすすめです。
イチゴがかかりやすい病気である「炭疽病」や「イチゴ萎黄病」は土壌病害です。
そのため、強い抗菌作用があり、かつ独特の匂いでアブラムシなどの害虫も寄り付きにくくなるニンニクがおすすめです。
また、近くにペチュニアやボリジなどのハチやアブを呼んでくれる花を植えると受粉効果が高まりますよ。
近くに植えるのをおすすめしない作物はニラです。
イチゴは上に成長するタイプの植物ではありませんが、ニラは上にも横にも大きく育つ植物です。
したがって、近くにニラを植えてしまうと十分な日光が当たらず成長阻害が起きてしまいます。
一方で、ニンニクは上に伸びてもイチゴに十分に日光が当たる程度の成長しかせず、球根が地中にあるため風で倒れたりもしません。
場所もほとんど取らないので、イチゴと合わせるネギ科の植物はニンニクが一番おすすめのコンパニオンプランツと言えます。
上で紹介させていただいた作物の他にもコンパニオンプランツの組み合わせは沢山あります。
また、効率の良い植え付け方を知ることで、さらにコンパニオンプランツの効果を高めることも可能です。
実際に家庭菜園を作るときに知りたい、苗や種の植え方や植物の育て方、そしてコンパニオンプランツについて詳しくまとめられた一冊です。
最も身近なコンパニオンプランツとして「雑草」を使う方法や、家庭菜園ビギナーの方でもわかりやすいように豊富なイラストや写真が掲載されています。
家庭菜園というと自宅の庭や露地の印象がどうしても強くなりますが、鉢植えで育てる方法もしっかり載っていますよ。
また、根に含まれる菌が植物に与える影響や、害虫を寄せ付けづらくなるメカニズムなども科学的な観点で説明されています。
入門書として是非おすすめしたい本です。
価格:1,728円(税込み)
ページ数:92ページ
家庭菜園を続けていく上で一番注意しておきたいのが、連作障害や病原菌、害虫が残ったままになってしまっている土です。
こちらの本では農家さんの視点で、昔はそうした土の障害をどう乗り越えていったのかが詳しく書かれています。
大規模農業を基準に書かれていますが、知識をそのまま家庭菜園に置き換えることができますよ。
植えた場所を少し変えるだけで収穫量がアップしたりするので、混植・混作・輪作の概念は知っておいて損はないです。
価格:1,512円(税込み)
ページ数:191ページ
コンパニオンプランツについてご紹介してきました。
農薬や肥料を極力使わず、植物本来の力で作物を育てるコンパニオンプランツ。
是非、家庭菜園で試してみてください。
公開日 : 2019/02/03