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電車で座ると、前に立った人から頭頂部へ視線を感じる…
下りのエスカレーターで後ろに知人がくると、思わず先を譲ってしまう…
そんな経験はありませんか？
あるいは、ドライヤー後に、洗面台に落ちる髪の毛の量に驚いたことはありませんか？
お風呂の排水口にたまる髪の毛を、掃除する頻度が増えていませんか？
朝、どんなに時間をかけても髪にボリュームがでない…
なんとなく気になってはいたけれど、見ないようにしていた自分の頭頂部。
抜け毛の悩みは男性だけのものではありません。
特に分け目やつむじ周りが気になるお悩みは、女性に多い抜け毛や薄毛の特徴です。
抜け毛の原因は遺伝だと諦めてないでしょうか。
実は体質や遺伝だけではなく、抜け毛の原因は人によって様々なんです。
まずは、何がきっかけで抜け毛が増えてしまったのかを知ることから始めましょう。
長年同じ分け目であったり、ポニーテールやまとめ髪のような、頭皮に強く負担がかかるような髪型を続けていたりすると、それが原因で抜け毛となる可能性があります。
また、カラーリングをすることで地肌や髪が薬剤によって痛み、頭皮のトラブルを引き起こすことがあります。
ストレスを感じたり、疲労が続いたりすると、体内の血液がうまく循環しなくなり、血行不良となります。
毛根は頭皮の毛細血管とつながっているので、血行不良が起こると毛根に上手く栄養が運ばれなくなり、毛が細くなったり抜け毛が増えたりします。
過度なダイエットや食事の偏りなどで栄養が不足すると、毛髪への栄養が不足し抜け毛の原因になります。
特に髪の成分となるたんぱく質を中心に、髪の発育や成長のためにミネラルやビタミン類などの栄養素も摂る必要があります。
女性は妊娠や出産などを経験し、ホルモンが大きく変化すると、そのバランスが崩れ、髪の成長サイクルに影響を与えます。
また、更年期を迎えると女性ホルモンであるエストロゲンが減少し、髪が細くなることで抜け毛の原因になります。
原因が分かったところで、次にその対策法をいくつかご紹介します。
どれも手軽に取り組めるものなので、ぜひ試してみてください。
髪はたんぱく質からできているため、食事からたんぱく質を摂る必要があります。
たんぱく質は肉や魚、大豆類に多く含まれています。
ただし、肉や魚には脂質も多く、頭皮の皮脂分泌を増やして頭皮環境を乱すので、摂りすぎには注意が必要です。
また、ビタミン類や亜鉛なども髪の栄養には意識して摂りたい成分です。
具体的には、レバー（ビタミンB2）、ナッツ（ビタミンB6、ビタミンE、たんぱく質）、フルーツ類（ビタミンC）、うなぎ（亜鉛）などがおすすめの食材です。
マッサージは血行をよくし、新陳代謝を活発にします。
頭皮の血流を流すイメージで行うと良いでしょう。
ポイントは、爪を立てず、指の腹で頭皮を動かすことです。
ゆったりとリズミカルにおこなうと効果的です。
また、首まわりの血流が滞っているのも髪にはよくありません。
スマホやパソコンにより、首こりを感じている方は、首まわりのストレッチがおすすめです。
さらに、マッサージやストレッチの最後には、頭の血流をよくするツボを押しましょう。
ツボの場所は耳の上側の生え際あたりで、耳を前に折り曲げたときに耳の1番上があたるところにあります。
ゆっくり息を吐きながら3秒間、これを5回、気持ち良いと感じる程度の強さでプッシュしてみてください。
頭皮が乾燥したり毛穴が汚れていたりすると、髪の毛に十分な栄養が届きません。
シャンプーに毛髪を増やす効果はありませんが、頭皮を健やかに保つことでボリュームアップやハリ、コシのある髪の毛にすることができます。
頭皮の乾燥にはアミノ酸シャンプー、ベタつきにはクレイや炭配合のシャンプーといったように、頭皮の状態で選んでみてください。
また、最近では頭皮に適度な刺激を与えてくれるヘアブラシもあります。
パドルブラシはブラシの面が広く、空気穴があいているためクッション性が高く、抜け毛予防に適しています。
女性の薄毛、抜け毛予防にマッサージグッズも販売されています。
これには大きく分けて電動と手動の2種類あります。
電動タイプは頭皮の洗浄を目的としており、細かい振動やゆったりとした動きなど、ヘッドスパで体験するような、人の手に近い感覚をご自宅で感じることができます。
手動タイプはご自身の力加減で気持ちよさを調整できますし、なにより電動に比べて価格がお手頃なものも多いです。
バランスのとれた食事を毎日続けるのが難しい方や、マッサージやセルフケア用品では効果を感じられなかった方には、漢方薬をおすすめします。
東洋医学では髪の毛は血余（けつよ）と呼ばれており、からだを巡る血の乱れが大きく関わっていると考えられています。
漢方薬は薄毛の原因になりやすい血行不良や栄養不足、ホルモンバランスを整えるといわれているため、薄毛に悩む女性に最適です。
毎日飲むだけと簡単ですし、体質から改善を目指せます。
加味逍遥散（かみしょうようさん） ：髪のコシ、ハリがない方に。血行不良や血液不足を補うことで、頭皮の血流をよくします。
八味地黄丸（はちみじおうがん） ：抜け毛や白髪で老化が気になる方に。加齢によって弱った腎の状態を改善することで、腎とつながりの深い髪トラブルに働きかけます。
黄連解毒湯（おうれんげどくとう） ：頭皮がベタベタする方に。からだにこもった熱を取り除き、頭皮環境を整えます。
漢方薬はご自分の状態や体質にうまく合っていないと、効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じることもあります。
たくさんの漢方薬から自分に合った漢方薬を見つけるのは大変なので、「あんしん漢方」などのオンライン漢方サービスに一度相談してみるのも良いでしょう。
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女性にとって髪のお悩みは、なかなか人に相談しづらいもの。
最近ではクリニックで処方されるお薬も増えてきました。
しかし、このコロナ感染症拡大の中の外出には抵抗があったり、髪のお悩みでの通院に人の目が気になったりする方も少なくないと思います。
そのような方は、まずはご自宅で始められる方法から試してみてください。
無理なく根気よく続けることで、女性らしい本来の髪の毛を取り戻すことができるでしょう。
執筆・監修：薬剤師 白倉 みか
横浜、都内で病院薬剤師として12年間勤務する。
アロマテラピー検定一級。
仕事をしながら結婚、出産、育児といったライフイベントとの両立の大変さを体感する。
自らの経験から、現代の働く女性に寄り添う形で薬や医療の知識を一般にわかりやすく広めたいと考えている。
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最終更新日 : 2021/03/29
公開日 : 2021/03/29
