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季節別に山野草の種類を解説!初心者の方でも育てやすいおすすめの山野草
日本各地の平野や山地に自生し、素朴ながら美しい姿の山野草。
自然そのものの美しさを楽しめることから、庭植えだけではなく鉢植えに盆栽、お茶席を彩る茶花としても人気が高い植物です。
四季を細やかに感じられるのも魅力的で、うまく組み合わせると1年中季節の花を楽しむことができますよ。
今回はそんな山野草について、季節別の山野草や育てやすい品種について詳しくご紹介します。
実は山野草が日本で栽培され始めた歴史はまだ100年と少し。
まだしっかりとした定義はなく、現在販売されている「山野草」は、自然のものだけでなく品種改良したものや、国外の植物も多く見られます。
そのため、品種によって育ち方も様々で、日陰と日向はどちらが良いのか、寒さには強いのかなど環境の注意が必要です。
雑木林や湿度の高い場所に生息する山野草は、日光が当たりすぎると弱ってしまいます。
具体的には葉が枯れ始めたり、花がすぐに落ちてしまったりなど。
そうしたことを避けるためにも、高原や平地以外の場所に生えやすい山野草は、なるべく日陰を選んで植え付けるのがおすすめです。
日陰が必要な山野草の一例は下記です。
高原や平地に生息する山野草は、たっぷりの日光と風通しの良い場所が必要です。
日光が足りないと、蕾をつけても花が咲かなかったり徒長(無駄な成長)が起きてしまうことがあります。
徒長が起きると病気や害虫に弱くなってしまうため、なるべく起こさないように気を付けましょう。
日向が必要な山野草の一例は下記です。
庭が殺風景になりがちな冬でも、山野草の中には青々とした葉を付けたままの種類があります。
庭植えはもちろんのこと、鉢植えにしても屋内に避難させる手間暇が必要なく丈夫なものが多いです。
初心者の方でも育てやすく、色とりどりの花を咲かせる品種が多いため、山野草の入門としておすすめですよ。
寒さに強い山野草の一例は下記です。
また、古来から日本の四季を彩ってきた山野草ですが、環境開発の影響で現在では絶滅危惧種に指定されたものも・・・。
そのため、自然に生息する山野草を採取するのは避けるのが好ましいです。
なお、自然の中では絶滅危惧種とされている種類の山野草でも、人工的に栽培されて市場に出回っているものもあります。
そうした山野草は購入しても問題ありませんのでご安心ください。
現在絶滅危惧種に指定されている山野草の一例は下記です。
ここでは、初心者の方でも育てやすい山野草を季節ごとに紹介します。
淡いピンクや黄色、柔らかな赤色などの可愛らしい花を咲かせるエビネ。
春咲き種と夏咲き種があるので、その2種類を庭植えすると、春から夏にかけて色とりどりのエビネの花を楽しむことができます。
また、春咲き種にはジエビネ、キエビネ、キリシマエビネ、ニオイエビネなどの品種がありますが、育てやすいのは「ジエビネ」と「キエビネ」です。
ちなみに、エビネという名前の由来はくるっと丸まった地下茎がエビの背中に見えることから。
日陰を好むので庭に植え付ける場合は風通しがよく、日光が当たりすぎない場所を選びましょう。
鉢植えは、土の表面が乾いたら十分に与えます。冬も意外に乾きやすいので注意が必要です。
庭植えは、1週間以上雨が降らず、暑く乾燥した状態であれば十分に与えます。
独特な形をしたピンク色の花が一列に連なって咲くケマンソウ。
その独特の花弁から「鯛釣り草」とも呼ばれています。
原産地は中国で、日本に渡来したのは室町時代という根強い人気を誇る山野草です。
花だけではなく葉の形も美しいため、庭を綺麗に彩ってくれますよ。
湿度の高い場所を好む山野草なので、植え付ける時には日陰になるような場所を選ぶのがベスト。
一日中日光が当たるような暑い場所だと、春のうちに枯れて休眠状態になってしまうことがあります。
鉢植え・地植え共に土の表面が乾いたら十分に水やりをします。
春を代表する草花の一つであるスミレ。
可憐ながらも品がある薄紫色の花弁と、細長く翼のある葉が特徴の山野草です。
日当たりの良い草地や堤防でもその姿を見ることができます。
花の色は紫以外にもピンクや白の品種も。
日向を好むので、庭植えをする場合には日当たりが良い場所を選びましょう。
寒さにも暑さにも強く、丈夫なため鉢植えや盆栽にもおすすめです。
鉢植えは土の表面が乾いたら十分に水やりをします。
地植えのものは、よほど乾燥が続かない限り不要です。
平地や草原などに自生するタツナミソウは、ふわふわとした柔らかな感触が特徴の山野草です。
特徴的な花弁が風にゆれると波のように見えることからこの名前が付けられました。
花弁の色は紫、淡いピンク、白など。
違う色の花を咲かせるタツナミソウを混ぜて植えると、交配によって色とりどりのタツナミソウを楽しむことができますよ。
日向と日陰、どちらでも育つ丈夫な植物ですが、春の間は日当たりがある場所の方が綺麗に育ちます。
湿気はあまり好まないので、庭植えも鉢植えもできるだけ風通しの良い場所を選びましょう。
鉢植えは土の表面が乾いたら十分に水やりをします。
地植えのものは不要です。
春咲き種のエビネと違って、夏咲き種のエビネは亜熱帯の植物です。
そのため、高温多湿な時期を好み、日本では夏に花を咲かせます。
花弁の色は春咲き種よりも濃い色をしているのが特徴で、白やピンク、紫などの色鮮やかな花を楽しめますよ。
湿気を好むため、庭に植え付けをする場合は日陰になる場所を選ぶのがおすすめですが、寒さに弱いので長く育てる場合には鉢植えがベスト。
冬には屋内に取り込み、10℃以上の気温を保って冬越しをさせます。
水やりのポイントは、前述の春咲きのエビネと同様です。
鉢植えは、土の表面が乾いたら十分に与えます。冬も意外に乾きやすいので注意が必要です。
庭植えは、1週間以上雨が降らず、暑く乾燥した状態であれば十分に与えます。
オオバコに似ている大きな葉と、可憐な一日花が魅力的なギボウシ。
主に葉の美しさを鑑賞する山野草で、白く線が入ったものや光沢があるもの、しわが目立つものなど様々な品種があります。
日本には数種類のギボウシが自生しており、東北~中部地方では「ウルイ」、西日本では「タキナ」などと親しまれています。
食用の山菜としても有名で、若芽や若葉などをサラダやおひたしなどで食べることができるんですよ。
ただ、若葉は毒草の一つである「バイケイソウ」に似ているため、野生のギボウシを採取する場合には注意が必要です。
高温多湿を好み、木漏れ日の差す場所や一日の半分は日陰になる環境が好ましいです。
鉢植えは土の表面が乾いたら十分に水やりをします。
地植えのものは土が乾いてしおれるまでは不要です。
鮮やかな朱色の花が美しく、丈夫で育てやすい山野草として有名なセンノウ。
元は中国原産で、上で紹介したケマンソウと同じく鎌倉~室町時代に日本に渡来したと言われています。
名前の由来は京都嵯峨の仙翁寺で育てられていたことからだそう。
同種の「マツモトセンノウ」は八重咲きになる花弁もあり、色もピンクや白など種類豊富です。
暑さにも寒さにも耐性がある植物なので、日向でも日陰でもどちらでも力強く成長します。
水やりは土が乾いていたら行ってください。乾燥は禁物です。
淡い紫や白色をした、釣り鐘上の花が特徴のホタルブクロ。
花の口を手で包むと虫かごのようになったことからその名前が付けられました。
とても丈夫なので、こちらも初心者の方におすすめの山野草です。
寒さには強いですが暑さには少々弱いので、植え付けの際には日当たりが良すぎない明るい日陰を選ぶと大きく成長しますよ。
鉢植えの場合は、毎日土を濡らすように水やりをしましょう。
地植えでは、根付いた後は自然の降雨のみで十分です。
冬季は休眠期なので、地植えも鉢植えも土がカラカラに乾いたときに水やりをしてください。
秋の七草のひとつとして名高いオミナエシ。
万葉集や源氏物語にも登場するほど歴史が長い植物で、漢方にも使用されています。
黄色く可愛らしい花は、6月~9月まで咲き続けるため長い期間楽しむことができる山野草です。
植え付けの際には風通しがよく、日当たりが良い場所がおすすめ。
日陰になりやすい場所では日光が足らず、徒長してしまったり時によっては枯れてしまいます。
日当たりにさえ注意すれば、寒さにも暑さにも強いので育てやすいですよ。
比較的水を好むので、土の表面が乾いたら十分に水を与えましょう。
純白で特徴的な形をした花が、シロサギが飛ぶ姿に似ているサギソウ。
その可憐な佇まいは鉢植えにぴったりな美しさです。
自生するサギソウは日本各地の湿地によく生えており、季節になると白花の絨毯のようになって見ごたえがありますよ。
日光を好む植物なため植え付けの時には日向を選びましょう。
冬は休眠しますが、寒さに強いため屋内に入れる必要はありません。
夏も冬も、土が乾燥しないように管理します。
夏は腰水にするなどして乾燥を防ぎましょう。
それでも、夏場は水が切れることがあるので注意してください。
日本の特産種であり、薄紫の斑点のある花を咲かせるホトトギス。
太平洋側の土地に分布し、やや日陰の崖や斜面にその姿を見ることができます。
九州のみに自生する「サツマホトトギス」や淡い黄色の「キバナノホトトギス」など、種類も豊富な上に丈夫なので育てやすい山野草です。
ただ、キバナノホトトギスはほかの種類に比べると少々弱く、そのため単独の鉢植えで育てるのがおすすめですよ。
植え付ける時には、風通しのよい明るい日陰がベスト。
あまり日当たりが良すぎると徒長や萎れの原因になります。
鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら十分に与えます。
庭植えにした場合は、日照りが続かない限り不要です。
オミナエシと同じく「秋の七草」として有名なフジバカマ。
夏の終わり~秋の始めにかけて白くて可愛らしい花を咲かせます。
乾燥した葉は桜の香りがするため、中国では古来より芳香剤としても利用されていました。
現在はフジバカマが自生する環境が減ったため絶滅危惧種になっており、そのため販売されているフジバカマはフジバカマと同種の交雑種がほとんどです。
日光を好む植物なため、植え付けの際は日向になる場所を選ぶのが最適です。
日陰に植え付けると徒長してしまい、育ちが悪くなります。
地下茎で繁殖する植物なので、あまり増やしたくない場合には庭植えではなく鉢植えがおすすめです。
水を好む植物です。
鉢植えは、雨が降っている日以外は毎日水やりをするか浅く腰水にして水切れを防ぎます。
庭植えでは降雨がなく、しおれている様子があれば十分に水やりをします。
海に近い崖や林に自生する常緑草のツワブキ。
淡い黄色の花を咲かせるのは秋ですが、冬の間も枯れることなく庭を彩ってくれます。
葉にまだらが入ったものや、光沢があるものなど品種によって違いがあるのも魅力的です。
植え付ける場所は日当たりの良い場所か明るい日陰で、水はけのよいところが向いています。
鉢植えは、土の表面が乾いたら十分に与えます。
地植えであれば、日照りがひどく続かない限りは不要です。
春に梅によく似た可憐な花を咲かせるバイカオウレンも常緑の山野草です。
栄養豊富な湿った場所を好み、ランナーを伸ばしてその数を増やすため、野生ではよく群生している姿を見ることができます。
全国に分布していますが、四国には四国固有種の「シコクバイカオウレン」なども。
とても丈夫というわけではありませんが、育てやすく冬の数少ない緑として楽しめます。
日当たりが良すぎる場所や、乾燥した場所にはバイカオウレンを植え付けるのは避けた方が良いと言えます。
特に乾燥には要注意で、なるべく湿り気を保つようにするのがベストです。
乾燥を嫌う植物なので、鉢植え・地植え共に土の表面が乾いたら十分に水やりをしてください。
自然そのものの植物を季節ごとに楽しめる山野草ですが、盆栽にするとまた別の風情を味わえます。
季節ごとに盆栽にするのもよし、春夏秋冬の山野草をそろえ、盆栽で季節の移り変わりを楽しむのもよし。
コケや芝も一緒に植え付けると自然の風景の再現度がより増して美しいです。
また、植物を植え付けるスペースがないという悩みも解消できるのが盆栽の魅力的なところ。
植木鉢を置く程度の場所さえあれば問題ありません。
ここでは、そんな山野草の盆栽の作り方や組み合わせを詳しく解説している本をご紹介します。
NHK趣味の園芸という番組で解説をしていた方が著者となっているこちらの本。
初心者向けのものから上級者向けのものなど、ありとあらゆる山野草の生態や魅力が解説されています。
ちなみに、掲載されている山野草の数はなんと1250種類。
国内に限らず海外のものまで網羅されていますよ。
山野草の写真はすべてカラーで乗っており、どんな花なのかもイメージしやすいです。
庭植えや鉢植えだけでなく、盆栽の作り方や交配の仕方まで詳しく書かれているため、初心者の方なら一度読んで間違いない一冊です。
価格:2,376円(税込み)
ページ数:248ページ
山野草初心者の方向けに執筆された盆栽や寄せ植えの本です。
執筆にはNHK趣味の園芸で解説をしている専門家の方も関わっていますよ。
まずは基礎知識からと考えている方におすすめの1冊です。
価格:1,512円(税込み)
ページ数:128ページ
組み合わせによっては、年中花や葉を楽しめる山野草。
お庭や室内を可憐に彩る植物として、是非取り入れてみてください。
最終更新日 : 2022/02/01
公開日 : 2019/02/13