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尿漏れは、一般的には40代・50代の女性によく見られる症状です。
しかし、出産を経験すると、一時的に尿漏れが起こることがあります。
これは骨盤底筋群のゆるみが原因です。
からだの中では、腎臓で作られた尿は膀胱にたまります。
尿が膀胱にたまっているとき、膀胱の出口である尿道は、筋肉によってギュッと閉じられています。
この筋肉こそが骨盤底筋群なのです。
妊娠中は大きくなっていく子宮を支えるため、骨盤底筋群に大きな負荷がかかってゆるみやすくなります。
また、出産時に骨盤底筋群が傷つくこともあります。
こうした骨盤底筋群のゆるみやダメージが原因となり、産後は尿漏れが起きやすい状態となります。
出産を終えると、通常は大きくなった子宮や、ゆるんだ骨盤底筋群は元に戻ります。
そのため、約90％の妊婦さんは1年以内に尿漏れの症状が改善するといわれています。
しかし、骨盤底筋群などのダメージが大きかった人の場合、出産後1年以上経っても尿漏れが続くことがあります。
ただ、弱った骨盤底筋群をトレーニングすれば尿漏れを改善することができます。
正しく骨盤底筋群トレーニングを毎日続けると、2～3週間で尿漏れの改善が期待できます。
出産後の尿漏れに悩む方は、次に紹介する膣ケア方法をぜひ試してみてください。
尿漏れには、尿道を支えている骨盤の筋肉の緩みを矯正する｢骨盤底筋体操｣が有効と考えられています。
また、肥満を有する方では、ダイエットにより尿漏れが改善する場合もあります。
骨盤底筋群を締める方法が分らなければ、尿を途中で止めてみます。
その時に力が入っているところが骨盤底筋群です。
それと同じ感覚で膣トレをやってみましょう。
また、トイレを我慢していれば膣トレになるといわれることもありますが、膀胱炎などのリスクもあるためオススメできません。
尿漏れを病院で治療したいときは、婦人科や泌尿器科を受診しましょう。
尿漏れの頻度や量が少ない場合は、まず手術以外の方法で治療を行うことが多いです。
膀胱の緊張を和らげる薬や尿道を締める薬を使った薬物治療、また骨盤底筋群のトレーニングを併用して治療していきます。
体重がオーバーしている方には、尿漏れ対策としてダイエットを薦められる場合があります。
なお、薬物治療や膣トレで改善できない場合には手術が行われます。
人工のテープで尿道を支える手術や、内視鏡で尿道内にコラーゲンを注入する手術などがあります。
「膣トレを頑張ってみたけど効果が実感できない」
「病院に行くのは恥ずかしいので自分で何とかしたい」
そのようにお悩みの方には、からだの内側からの改善を目的とする漢方薬がおすすめです。
尿トラブルの「尿漏れ」「頻尿」「夜間尿」「残尿感」などの様々な症状に、漢方薬は効果が認められています。
漢方医学は心とからだのバランスを整えて、あなた自身の治る力（自然治癒力）を高めることで全身の健康を回復に向かわせる学問で、長い歴史の中でたくさんの症例があります。
漢方薬は、根本的な体質の改善を目指すものですので、冷えや疲れなど全身的な症状に悩む方に最適です。
漢方医学を日々の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
また、家事や育児、仕事などの忙しい生活の中で、規則正しい食生活や運動を続けることは大変ですよね。
漢方薬は、自分の症状や体質に合ったものを毎日飲むだけなので、簡単に続けることができるため忙しい方にもおすすめです。
補中益気湯（ほちゅうえっきとう）：胃腸の働きが衰えて疲れやすい方
沈滞した気を引き上げる作用によって、下垂した骨盤底筋群を引き上げ、尿漏れに作用します。
八味地黄丸（はちみじおうがん）：疲れやすくて、下半身が冷えやすく、むくみがある方
からだを温め、生殖器や泌尿器の機能低下を改善する作用があります。
漢方薬を選ぶ時の重要なポイントは、あなたの症状や体質に合っているかという点です。
うまく合っていないと、効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じることもあります。
どの漢方薬が自分に合っているのかを見極めるためには、漢方に精通した薬剤師に相談することがおすすめです。
「あんしん漢方」などのオンライン漢方サービスを試してみるのも良いでしょう。
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お母さんは出産前から体調の変化や気持ちの変化があって大変ですよね。
それでも毎日を楽しむことを忘れないでください。
イヤな尿漏れも、膣トレや漢方薬で少しずつ改善し、体調を取り戻して子育てを楽しみましょう！
執筆・監修：薬剤師 佐藤 瞳
製薬会社で臨床開発に従事後、「薬を実際に使っている患者さんの声が聴きたい！」との思いから調剤薬局に勤務。
病気を未然に防ぐライフスタイルや、働く女性に役立つ漢方の情報を発信している。
登録販売者試験講師としても活躍中。
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最終更新日 : 2021/02/05
公開日 : 2021/01/18
